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東急ら5社が「オフピーク旅」を促進、分散・周遊を目指す新プロジェクトをスタート

2024.06.12

平日の需要を増やし来訪地を分散 「また行こう」を促す施策

Tsugi Tsugiの4プランは、すべて日曜日から木曜日までの平日宿泊。14泊できる『えらべる14』プランのみ、金曜、土曜、祝日前にも4泊利用できる。このサービスの特徴は、平日の需要を創出することだ。

(Tsugi Tsugiを立ち上げた東急・川元一峰氏)

Tsugi Tsugiを立ち上げた東急のホテル・リゾート事業部事業戦略グループ主査の川元一峰氏によると、コロナ禍以降、急速に観光需要が回復。さらに、コロナ禍でこれまで旅行を我慢していた人が動き出したことや、円安によるインバウンド増などにより、2010年代から問題視されてきたオーバーツーリズムが再度加熱することに。急回復したことによる観光業従事者の人手不足が加速し、宿泊費の高騰や地域住民の生活への影響などが起こっている。

さらに、一部地域に観光客が集中することで、取り残されるエリアも。川元氏は、「地域住民の生活へ影響するだけでなく、訪れている旅行者の体験満足度も下げる。その土地に『また行こう』と思ってもらえない。オーバーツーリズムが拡大し続けると、観光産業全体が衰退する恐れがある。旅行者の滞在期間や回数の伸び悩み・減少に伴い、産業が維持しきれなくなる地域も出てくる」と懸念する。

多くの観光地が「分散、周遊、リピーターを重視した戦略を立て始めている」といい、九州や沖縄エリアでも同様の課題があるという。そこで川元氏は、Tsugi Tsugiのプロジェクトにより、「分散、周遊の促進を軸に、隠された地域の魅力を発信し、体験満足度を向上させ、再来訪を促し活性化する。産業としての持続的な成長を目指す」と語る。

Tsugi Tsugiのプランで宿泊できるのは、来訪者が集中する土日と比べると閑散期にあたる日曜日から木曜日。Tsugi Tsugiや、Tsugi Tsugiと連携する5社のサービスを利用することによって、「オフピーク旅の定着」を目指す。「平日を中心としたローコストな域内周遊と近距離中距離の移動をかけあわせ、曜日や来放地を分散し、混雑のない快適な旅を提供する」という。実際にTsugi Tsugiを利用することで、日曜日から木曜日までの宿泊割合は88.7%と高い数値になっており、「曜日を問わない需要の創出」と「未稼働客室への送客」に寄与している。

川元氏は、「『オーバーツーリズムで、来てほしくない』という言葉も聞きますが、それは観光や旅行産業として『来てほしくない』訳ではなく、あくまでも『混んでいるタイミングで来てほしくない、分散をしてほしい』ということ。来てもらうことはウェルカムなことと認識しています」と語る。東京で発表を行った理由については、「九州・沖縄以外のエリアからどれだけ遠距離でも来てくださるか。『近いから』という理由ではなく、『地域に対してエンゲージメントを持っていただけるお客様』を少しでも送客するという意図で、東京で発表させていただきました」と説明した。

東急の執行役員・金山明煥氏は「今回のテーマは、九州、沖縄、オフピーク。お客様にとっても、事業者にとっても、地域にとっても良い、“三方よし”を目指す」と語り、「首都圏のメンバーが多い中、九州は(距離があるので)ハードルが高いエリアです。物理的距離というのは発想力に比例する。経営者や小説家などアイデアを出す方は、旅をして発想を得ることもある。東京からみると距離があるところに新しい事業を作っていこうというのも、我々の目的です」と東急としての目標も明かした。

同プロジェクトでは、Tsugi Tsugiの無料会員を対象に、九州・沖縄エリアに実在する「行ってみたくなる“あの名店”」の逸品グルメが毎月当たるプロジェクトも併せて実施。さらにTsugi Tsugiに、楽曲生成AI機能を活用した「旅の思い出を楽曲として形で残す」新機能を搭載。九州・沖縄エリアへの旅のきっかけづくりや、旅の思い出作り・シェアを促していく。

リモート勤務など働き方の多様化が進む中、オフピーク旅は、オーバーツーリズム対策的な視点だけなく、「フレキシブルにリフレッシュの時間をとる」「旅で新しい知見を深める」といった点からも効果が見込めるかもしれない。働き詰めのスタイルより、能率も効率も良い成果も期待され、ウェルビーングの視点からも注目が集まりそうだ。

取材・文/コティマム

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