定額制回遊型宿泊サービス『Tsugi Tsugi』と交通4社が連携
旅といえば、心身ともにリフレッシュし、幸せになれる時間だ。本来であれば、旅を通して自分を見つめ直したり、日頃の疲れから解放されたりと、自分を“ウェルビーイング”な状態にもっていく貴重なきっかけになるもの。しかし昨今では、「観光公害」と呼ばれるオーバーツーリズム問題が深刻化している。
観光地に著しく訪問者が集まることで、地域住民の生活や生活環境、景観等に対して受忍限度を超える負荷をもたらすオーバーツーリズム。観光客の増加による交通機関の混雑や渋滞、ゴミや騒音による生活環境の悪化、さらにはそういった悪影響から自然環境を保護するためにビーチなどの人気エリアが閉鎖されるなどの状態が発生している。こうした状況を改善するために、東急株式会社など交通5 社が共同で、『九州・沖縄 オフピーク旅促進プロジェクト』を発表した。
同プロジェクトは、東急の定額制回遊型宿泊サービス『Tsugi Tsugi(ツギツギ)』 と、株式会社ソラシドエア、株式会社スターフライヤー、九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)、ニッポンレンタカーサービス株式会社の交通事業者が連携するプロジェクト。6月4日に都内で会見が開催され、概要が説明された。
21年にスタートした東急のTsugi Tsugiは、全国200以上(※2024年6月現在)の宿泊施設を定額の利用料で期間内に自由に宿泊できるサービス。宿泊先は、有名ホテルや老舗温泉旅館、グランピング施設などから選ぶことができる。プランは税込み2万3980円で30日間中2泊できる『えらべる2』から、税込み29万9800円で30連泊できる『まいにち30』まで4プランあり、1泊単位の宿泊よりもお得な料金体系となっている。さらに全プランで、同伴者1人まで無料で利用可能。個人会員数は8万5000人、法人プランの導入企業数は50社以上となっている(※2024年6月現在)。
このTsugi Tsugiが、ソラシドエア、スターフライヤー、JR九州、ニッポンレンタカーと組み、九州・沖縄地域の活性化とオフピーク旅の需要創出を目的としたキャンペーンを展開する。24年6月4日から25年5月31日までの期間に、「ソラシドエア便を利用して九州・沖縄エリアを訪れ、Tsugi Tsugiを利用して対象施設に宿泊した全ユーザー」に、全国の対象施設で利用可能な1泊分の無料宿泊選を、最大12泊分プレゼントする。さらに、ソラシドエアとスターフライヤー機内限定価格で販売するJR九州の「JR九州フリーきっぷ」と、Tsugi Tsugiユーザーへ提供される優待価格のニッポンレンタカーのサービスを利用することで、より気軽な域内移動の実現と地域経済の活性化に取り組む。交通5社の強みをいかした連携で、オフピーク旅や初来訪の促進、宿泊時期の分散、移動や周遊による「場所の分散」を目指す。