RTD市場を牽引してきたレモンサワーに、またひとつ画期的な製品が誕生した。
輪切りのレモンが入ったアサヒビール『未来のレモンサワー」だ。6月11日より、首都圏・関信越エリアの1都9県で、数量限定で発売される。
世界初のレモンスライス入りレモンサワーが爆誕
プルトップを引くと、パカッ!と小気味いい音を立ててフタが全開。シュワシュワシュワ~と細かい泡が立ち、缶の底から黄色いものがプカプカッと浮き上がってくる。「なんだこりゃ~!?レモンスライス!」という驚きの缶製品が『未来のレモンサワー』だ。
発表会では藤森慎吾さんがゲスト出演。レモンスライスが浮き上がってくる様子と、フレッシュな香りに圧倒された様子だった。
6月3日の製品発表会で、「2021年、『アサヒスーパードライ生ジョッキ缶』のフルオープン缶から、このイノベーションは始まりました」と、マーケティング本部長・梶浦瑞穂氏は語った。
『アサヒスーパードライ生ジョッキ缶』は店頭で品切れが続出したヒット商品。まさしく画期的な缶ビールだった。
世界初の挑戦と大きな課題
レモンスライスを缶に充填したレモンサワーは日本初で、世界初。そこには数々の課題があった。
まず、レモンの調達先を探すことから。大量のレモンを安全に、かつ安定的に調達する必要がある。選んだのは中国四川省だ。実は中国四川省はレモンの名産地。収穫後の農薬不使用(ポストハーベストフリー)を徹底したレモンを確保した。
続いて、大きな課題になったのがレモンスライスをいかに乾燥させるか。
水分の含有量が多ければ微生物発生のリスクが格段に高まる。かといって、完全に水分を抜いてしまうと、肝心なレモンの風味まで損なってしまう。試行錯誤を重ね、高温乾燥、低温乾燥を組み合わせて微生物問題と風味をキープするバランスを見きわめた。
また、レモンスライスが缶底からプカプカと浮いてくるようにするため、レモンスライスの厚みを探った。
次のハードルは、レモンスライスという固形物を、どうやって缶に充填するか。ナタデココやタピオカの入った缶製品はすでにある。しかし、レモンスライスの充填は格段にむずかしい。とにかく薄いのだ。レモンを缶に入れため、ゼロから機械を入れ、システムを整備した。
「3年半、数百回のトライ&エラーを繰り返して完成しました」(前出・梶浦氏)