完全栄養食品市場が急拡大中!
「健康のために、バランスよく栄養を摂りたい」「でもそういう食事作りをする時間がない」…ヘルシー志向とタイパの間で悩む現代人は多い。そんなアンビバレンツな欲求を両立させる商品として大ヒットしているのが、2022年5月に日清から発売された「完全メシ」だ(関連記事:「「栄養バランスを考えるのが、めんどくせぇヤツら」のために作った日清食品のカップ麺の気になる中身」)。
「完全メシ」はスーパーやコンビニと販売チャネルを拡大して一般に浸透。2024年2月末には、シリーズ累計出荷数2100万食を突破した(2022年5月30日~2024年2月29日の「完全メシ」シリーズ (冷凍食品を含む)の累計出荷数から算出/日清食品調べ)。また“完全栄養パン”をうたうベースブレッドや、プロテイン系など、完全栄養食品のバラエティも増えてきている。
2023年に発表された富士経済の分析によると、完全栄養食品の国内市場は2022年で144億円(見込み)で2021年から1.3倍も成長。3030年には8.5倍の546億円に拡大すると予測している
そんな中、味の素から女性向けの完全栄養食が発売されたというニュースが。いったいどんなものか、まずは食べてみた。
ラインナップは、2種類のスープパスタ
2024年1月18日に、味の素の公式通販サイト「AJI MALL」限定で発売されたのが、“女性のための完全栄養食”(※)「One ALL」。2024年度の「One ALL」の売上目標は(2品種合計の消費者購入ベース)で約8千万円だという。
※食事摂取基準で定められた33種のうち熱量・炭水化物・脂質以外の栄養素を18歳以上女性の1日の基準値の1/3以上含有する食品(味の素定義)
(左)「One ALLバターチキンカレー風味のスープパスタ」(右)「One ALL 濃厚クアトロフォルマッジのスープパスタ」。どちらも5食入 2,990円(税込・送料別)
粉末だというのでカップスープ的なものをイメージしていたが、驚いたのはその袋の大きさ。1食分が、レトルトカレーの袋くらいのサイズで、ずっしり重みがある。
「One ALLバターチキンカレー風味のスープパスタ」は、20種のスパイスをブレンドした本格感のある香りと、バター風味の甘さと濃厚感が味わえるスープで、たっぷりのパスタ入り
「One ALL濃厚クアトロフォルマッジのスープパスタ」は、4種の香り豊かなチーズ(パルメザン、カマンベール、モッツァレラ、ブルーチーズ)を贅沢に使った濃厚なスープで、たっぷりのパスタ入り
クノールのカップスープの約44倍の内容量!
味の素のスープ系商品ということで、おなじみのクノールのカップスープの栄養成分表示と比較してみた。「クノール カップスープ」ポタージュの内容量は1食分17gで、エネルギーは73kcal。栄養成分表示は「たん白質」「脂質」「炭水化物」「食塩相当量」の4種類とごくシンプル。
こちらはOne ALLの栄養成分表示。エネルギーはクノールカップスープの3.8倍の280kcal。摂れる栄養成分は33種類。そもそも内容量が750gと、クノールカップスープの約44倍…。パッケージの写真だけではわからないが、ボリューム感がまるで違うのだ。
そのため、袋には「袋の中身を、700ml程度の大き目の器に入れてください」と書いてある。ちなみに上の写真の食器は、ふだんはうどんやそばなどを食べている、大き目の丼だ。
湯戻りが早い、独自のショートパスタを使用しているため、熱湯を注いで30秒かき混ぜてからラップをかけて5分待つだけででき上がるのが特色だという。