ペットを飼育したいと思った時、どこからペットを迎えるのが良いか、悩む人は多い。これまでペットとの出会いの場所はペットショップ、ペットを繁殖・販売しているブリーダーが中心だった。しかし、最近では保護団体や譲渡会を通じてペットを迎えようという人が少しずつ増えてきた。
ペットショップの関係者によると、動物愛護法の改正により、飼育スペースを広く確保する必要があり、施設管理にかかるコストが大きな負担になっていると言う。餌代や人件費も高騰して、ペットの販売値段は上昇している。
特に都内でのペットの価格高騰は急激で、ペットショップでは平均価格が20~40万円、人気犬種は50万円以上と高値がつく。気軽にはお迎えすることができない状況が続いている。人件費と管理費の高騰は続き、今後もショップやブリーダーでの購入価格は高くなる一方で、資金的に安くすむ譲渡会に注目が集まっているようだ。
「命をお金で買うより、飼い主のいないペットをお迎えしたい」と考える人も増えてきた。殺処分問題が広く認知され、動物愛護に関する意識も高まって、譲渡会への関心も高い。
今回はこうした譲渡会に参加する時に注意しておくべき点と、譲渡会の特徴について紹介したい。
どの譲渡会でも「信頼」がポイント
譲渡会は大きく分けて3つに分類される。1)保健所など自治体が主体となって行うもの、2)個人や団体、企業が行っている保護活動によるもの、3)猫カフェやドッグカフェなど店舗形態で行われるものの3つである。
どの譲渡会も特徴があり、出会いとしてどれが最適かは、人それぞれ。ドッグカフェで最高の出会いをした人もいれば、保健所の保護施設で人生の伴侶となるペットに出会えることもある。3つの譲渡会の特徴は後述するが、すべての譲渡会で言えるポイントは「信頼できる譲渡会かどうか」である。
譲渡してもらうペットが健康で人に良く慣れていたら、管理が適切で愛情をもって飼育されていた証拠である。さらに費用面に関しても納得できる値段ならば、その譲渡会は信頼できる会だったと言えるだろう。
譲渡会のトラブルで最も多いのが費用である。譲渡そのものは無料でも、管理費や募金といった形で多額の費用を請求されるケースが多い。ほとんどの譲渡会ではこうした費用を伝えているが、中には最終段階で突然、費用を請求されるケースもある。
わが家に連れて帰るペットも決まって、家にはその子のためのフードや用品がある。やっとお迎えできると思っていたのに、いきなり募金を請求されたら、迷ってしまい、多少無理をしても支払ってしまう。「ペットショップよりは安いですよ」と言われたら、その通りなのである。譲渡会のトラブルで最も多いのが、こうした「無料と言われたのに高額を請求された」事例である。
これまでの管理費として、餌代やワクチン代として適切な額だと思えば支払うべきだし、そうでないと考えたら勇気を出して、キャンセルして欲しい。ペットがかわいそうだと思う気持ちを利用して、利益を得る団体は悪質である。
解説※Panasonicの譲渡会会場。譲渡会が信頼できるものでなかったら、企業の信頼も損なうことになる。信頼を最も重んじる企業が行う譲渡会ならば、安心してお迎えすることができる。