海外事情に詳しいニキさんと国内ポッドキャスト事情に詳しい八木さんの2人が真剣トーク。成長を続ける海外の音声メディアにあって、日本にないものとは何なのか、語り合ってもらった。
収益化が日本のポッドキャストの課題です
オトナル代表取締役
八木太亮さん
デジタル音声広告事業を展開する同社を経営。ラジオ局や新聞社など大手パブリッシャー向けの音声コンテンツの配信支援事業とデータ運用支援も行なう。メディアにも多数出演。
八木さんのKINIなるポッドキャスト事情
米国の市場調査会社Market.us Scoopは、世界のポッドキャスト広告市場が2032年までに約430億ドルまで成長すると予測した(※1)。
アメリカの1位は未解決事件などを掘り下げるニュース系、2位は政治。比べると日本もアメリカも上位は似た傾向だ(※2)。
YAGI’S RECOMMEND
私立探偵、風俗嬢、元受刑者、海外で安楽死をする予定の人など、様々な事情を持つ人に食事をしながら話を聞く音声配信。
※1/引用元:scoop.market.us(AUDIO MARKETING INSIGHTより)
※2/Pew Research Center、第4回ポッドキャスト国内利用実態調査 オトナル・朝日新聞調べ
2人が注目する番組から見る音声メディアのトレンド
八木 今、海外の音声メディア市場は拡大を続けています。世界のポッドキャスト広告市場を見ると(上の図)、2023年は約127億ドルですが、2032年には約430億ドルにもなると予想されています。音声メディアはポッドキャスト以外にも音声アプリとか、音楽ストリーミングもあるので、実際の規模はもっと大きい。
ニキ 私は海外のポッドキャストをいろいろ聴いているのですが、確かにCMがたくさん入っているように感じますね。
八木 広告がたくさん入るということは、市場がそれだけ活性化しているということですからね。
ニキ ポッドキャストの番組は、いわゆる放送コードとか、時間の長さといった制限がラジオ番組と比べるとゆるいと感じます。だから気にせず、自由にぶっちゃけることができる。顔出しもないので内容も攻める。ジョー・ローガンのように差別発言で炎上するようなこともありますが、性の話やサブカル系など、従来のメディアよりもっとディープに掘り下げられる自由度は作る側にも聴く側にも刺激的ですね。
八木 私も『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision』というテレビ東京の番組のポッドキャストを聴いています。闇社会の住人の食をテーマにしたコンテンツなのですが、クラクションや雑踏の音も拾っていて臨場感がある。音声情報だけなのにパワーがすごいんですよね。
ニキ 逆に最小限の音で引き込ませるのが、海外で期待の若手として注目されている『The Really Good Podcast』。超有名人がゲストなのに女性ホストが無気力な声で脱線しまくるインタビューコメディーです。ハラハラするのに笑ってしまって耳が離せません。
八木 音の情報は映像よりも大きな力を持つ瞬間がありますね。
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