配信するものとしての今後の課題
最後に音声メディアの今後について聞いた。
「radikoは民放ラジオ99局の、今放送しているライブの音声が送られてきます。それをデータセンターに集約、ユーザーは集められたデータの中から聴きたい番組を選んでいる。その流れを整理する必要があると考えています」
さらに青木社長自身が提唱する「オーディオコンテンツロジスティクス」について語った。
「ざっくり言うと、精度の高いオススメ機能の構築です。動画配信の場合、サムネイルを見たり、動画をサーチするだけで多くの視覚的情報が入ってくるので、現在のオススメ機能でも使い勝手に問題はない。ですが、音声だけのメディアの場合、サムネイルだけ見てもどんな内容かは聴かなければわからない。せめて番組の一部を切り取って、ハイライト的に聴ける機能などを検討していきたいですね。配信する者は日々集積される番組を、いかに整理して提供していくかが大きな課題です。利用履歴から興味あるコンテンツが自動的に『お知らせ』されたり、オススメ番組を拡散するインフルエンサーがもっと現われるといいですね」
「radiko audio Ad」の新メニュー「radiko Branded Podcast」を提供
配信番組に企業が協賛できるシステム。CM交渉がひとつの窓口で行なえるのは企業にとって大きなメリットといえよう。
ついにポッドキャストの配信を開始!
各ラジオ局のポッドキャスト番組をradiko経由で配信スタート。配信する放送局のHPにアクセスする必要がなくなり、手軽にダウンロードができるようにした。
2023 エリア別 radikoで一番聴かれた番組ランキング
東京ドームイベントが大盛況だったオードリーなど、ニッポン放送の番組が上位に多く入った。
3位は今年で放送31年目となったお昼のワイド番組。つボイノリオさんは現在75歳の大ベテラン。
ベスト3のうち2つが阪神タイガースの野球中継となったのは、優勝した効果もあるのだろう。
取材・文/渡辺雅史 撮影/干川 修 イラスト/川崎敏郎