小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

ボルボの最新BEV「EX30」の全身に息づく"ほどよきこと"の魅力

2024.06.03

ボルボ伝統の技が生きる「程よい心地よさ」

レモンイエローのカラーを纏ったボディは佇まいというか、プロポーションがスッキリとしていて、とても好感が持てる。時としてデザイナーが「絶対にここを見て下さい」という強烈な想いを発信するデザインもあるが、EX30のそれは、あくまでもさり気なく、見る者の感覚に寄り添うような穏やかさがある。フロントマスクのデザインなどは相当に新しいはずなのに、どんなシーンにもすんなり溶け込んで見えるのは、そのためだろう。そしてそのデザインと、BEVならではの短い前後のオーバーハングと長いホイールベースという定番デザインが程よくバランスして、このプロポーションを完成させている。長く付き合って行けそうなデザインとは、こう言う仕上がりのものかもしれない。

穏やかな感覚はキャビンに乗り込んでも継続する。ドライバーズシートで感じるのは「素っ気ないほどのシンプルさ」だ。ダッシュボードの両端にエアコンの吹き出し口、中央には縦長の12.3インチのセンタースクリーンがあるぐらい。手で操作するダイヤルや物理スイッチなどを探すが、ウインカーやワイパーを操作するレバーぐらいしか見当たらない。さらにメーターパネルなどもなく、速度やバッテリー残量などの情報はセンタースクリーン上部の「ドライバーインフォメーションエリア」から得ることになる。だからだろうか、上下がフラット形状のステアリングが、やけに存在を主張してくる。

このシンプルさがあるからこそ、ストレスも少なくなるのだろう。そんな感覚のまま走り出した。すでにBEVのスムーズでトルク感のある走り出しの感覚は、幾度となく経験しているが、エンジン車にはないシームレスな加速感はやはり心地いいもの。一方で個性というかトルクの強弱はあってもエンジン車のような独特の個性は希薄。長年、エンジン車と過ごした身にとってみれば、わくわくした感覚がなくなっているのは寂しいところ。もちろんそんな思いを抱くこと自体、今や少々ズレているのかもしれない。

それにしてもEX30の走行感は実に上質だ。加速感に強烈さはないが、シームレスなフィールは体に程よく、心地いい。さらにFR(後輪駆動)であるため、フロントタイヤは加速などモーターのパワーを路面に伝える役割から解放され、方向転換だけに専念出来るため雑味がないフィールになる。もちろん切れ角も大きくなるので小回りもよくなる。程よいコンパクトなボディはさらに使いやすくなる。見切りの良さも手伝い、混雑する市街地での使い勝手の良さに感心するばかり。

さらに言えば、重量のあるBEVはどうしてもサスペンションが硬めになり、しなやかさが不足するものだが、EX30の走りには、それがない。付き合うほどに体になじみ、そして気が付くと体の一部のようになっているEX30を愛おしく感じている。

すでに言い古されているかもしれないが、まさに北欧家具だけが持つ心地よさに、心も体も穏やかになる。程よきことが、ゆったりとしたライフスタイルを想起させるという、味付けの美味さは「ボルボ伝統の技」。それが最新のBEVでも生き続けているから安心してボルボをガレージに納めることが出来るのかもしれない。

最低地上高は175mmを確保しているため、雪道やアウトドアフィールドでもあまり不安を感じることなく走り込める。

メーターパネルなどのないダッシュボードは低くなり、視界もよくドライブのストレスも軽減。ダッシュパネルもリサイクル素材を使用。

インテリアは北欧の自然をイメージした2種類を用意。写真は「ミスト」と呼ばれる仕様で、サラッとした素材感と柔らかなサポート感が心地いい。

長めのホイールベースのお陰でリアシートは窮屈な感じはないが、足元スペースの前後長に少し不足を感じる。

奥行きは5人乗車時で74mm、リアシートを前に倒せば133mm確保。左右幅は98mmあるのでクラスとしては広く使いやすい容量を実現した荷室。

前後左右4枚のウインドーの上げ下げを、前後切り替えながら、ふたつのスイッチで行う。

センターコンソールに装備されたシンプルなデザインのカップホルダー&物入れ。

張りのあるシートの素材には、心地いい手触りのテーラード・ウール・ブレンドを使用。

フロントフードを開けると小さいながら小物入れが出現。充電ケーブルなどの収納に使える。

(価格)
5,590,000円~(Ultra Single Motor Extended Range/税込み)

(スペック)
全長×全幅×全高=4,235×1,835×1,550mm
ホイールベース:2,650mm
車重:1,790kg
最小回転半径:5.4m
最低地上高:175mm
トランスミッション:1速固定式
駆動方式:FR
モーター:
最高出力:200kW(272PS)/6,500~8,000rpm
最大トルク:343N・m(35.0kgf・m)/5,345rpm
一充電走行距離:560km(WLTCモード)
問い合わせ先ボルボ・カスタマーセンター TEL:0120-55-8500

TEXT:佐藤篤司
男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う自動車ライター。著書「クルマ界歴史の証人」(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。