【AJの読み】「吾汝 ATONA」は日本における本格的なウェルネスツーリズム施設になるか
今回はエリア展開のみで、具体的な宿泊プランは発表されていないが、通常の旅館のような1泊2食付きではなく、ルームチャージとして1泊10万円台前半ぐらいの価格帯を想定。スタンダードルームタイプは50~70m²で、温泉、ダイニングバー、文化体験などを軸にしたブランドを展開していく予定だという。
「『吾汝 ATONA』が地域の方々と共に協調しながら成長していき、持続的に観光モデルを次の世代に繋いでいくことが重要だと思っています。地域のアクティビティ、地域の食文化が味わえる食事処など、その地域を楽しんでいただける所と連携していきたいと考えています」(渡部氏)
『吾汝 ATONA』は、世界で4000万人の会員を持つロイヤリティプログラム「ワールド・ハイヤット」をはじめとする、国内外の高級志向の客がターゲット。
コロナ以降、観光地を慌ただしく周る旅より、地域に長期滞在して文化を肌で感じ、施設のプログラムで心身を癒す、次世代型観光「ウェルネスツーリズム」志向が世界的に高まっている。
日本では本格的なウェルネスツーリズム施設はまだ少数で、温泉、地域固有資源、文化体験といったウェルネスツーリズムには欠かせない要素を持つ『吾汝 ATONA』がその役割を担うのか注目したい。
取材・文/阿部純子