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ZEBとウェルビーイングの普及拡大に向けて和歌山市とパナソニックが連携協定を締結した理由

2024.05.30

和歌山市とパナソニック エレクトリックワークス社(以下パナソニック)は、ZEB(※)及びWell-Beingの普及促進や導入促進に向けて連携協定を2024年5月27日に締結した。同社では、すでに4つの自治体とZEBに関する協定を結んでいるが、ウェルビーイングまで含めて取り組むのは今回が初めてとなる。
※Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル):快適な室内環境を実現しながら消費するエネルギーをゼロにすることを目指した建物

和歌山市に住みたいと選ばれる環境整備と脱炭素社会実現を目指す

政府目標である「2050年までの二酸化炭素排出量正味ゼロ」に向けて、持続可能な資源・エネルギー利用を前提とした活動への移行が必要不可欠だ。2050年に向けてカーボンニュートラル宣言をしている和歌山市にとっても脱炭素社会は喫緊の課題となっている。

今回の提携の主な目的は「ZEB」という形で、ビルについてもネットゼロを推進していこうというもの。ただ、やみくもに省エネを追求すればいいかというとそうでもない。中小企業をはじめとする和歌山市内の企業においては、まちなかに誘致された5大学や和歌山大学等の卒業生の採用促進・定着率向上に寄与する「働きがいあるオフィス」が求められているという背景もある。また、公共施設においても市民の移住・定住に寄与する過ごしやすい快適空間の提供が求められるという事情もあり、今回人が集い、人に選ばれるウェルビーイングな環境作りへの注力も協定に盛り込まれた。

具体的にはパナソニックはまず、築年数などを元にその施設がZEBへの改修に適しているかを無料で診断し、省エネルギー性能の高い照明や空調などの導入に向けた具体的な計画を提案する。その際、消費エネルギーの低い照明や空調を導入したり、再生可能エネルギーを利用したりすることで、ビルのエネルギー消費量を実質的にゼロにするわけだが、同社の得意とする「メリハリ照明」による照度の最適化や過ごしやすい空調技術などを活用し、ウェルビーイングにも配慮する。

和歌山の尾花正啓市長は「既存の建築物におけるZEB化は行政だけでは難しく、パナソニックのようなノウハウを持った企業と共同で取り組んでいくことが重要。働きたい、住みたいまちづくりとZEBの両立、ウェルビーイングな脱炭素の進め方が必要だと思っている」と述べた。

和歌山市の尾花正啓市長

パナソニック エレクトリックワークス社 マーケティング本部 和歌山電材営業所所長の判野圭司氏は「ZEB化の推進に加え、ウェルビーイングの普及拡大も協定に盛り込ませていただいている。和歌山市内のオフィスで働く方々がいきいきと快適に過ごせるよう、オフィス提案で培ったパナソニックの知見をいかした提案をしていく」と述べ、エコと快適を両立したオフィス環境、住みたいまちづくりへの貢献について意気込みを語った。

パナソニック エレクトリックワークス社マーケティング本部和歌山電材営業所所長の判野圭司氏

パナソニックはこれまでに大阪府や京都市とも連携協定を結んでおり、和歌山市との連携で改修案件のさらなる受注増加につなげていく考えだが、今回ウェルビーイングへの配慮も盛り込んだことは注目に値する。和歌山市に限らず、人口減少が課題となる地方都市にとって若い世代に選ばれる街になることは大きなテーマだ。住やすさとエコの両立は環境意識の高い若い層にとって魅力的であり、またパナソニックにとっても選ばれる街づくりの支援というニーズは非常に大きなビジネスチャンスでもあるはずだ。

実は和歌山市はパナソニックの創業者である松下幸之助氏の生誕の地でもある。同社ともつながりの深いこの地から始まる自治体を巻き込んだ住環境、仕事環境のアップデートの行方に今後も注目していきたい。

【連携事項】

(1)公共施設及び民間施設のZEB化改修の可能性調査に関すること
(2)ZEB化手法の検討に関すること
(3)ZEB化の認知度向上及び普及促進に関すること
(4)環境創造型Well-Beingの普及促進に関すること

関連情報
https://www.city.wakayama.wakayama.jp/
https://panasonic.co.jp/ew/

取材・文/石﨑寛明(編集部)

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