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デュアルモーターの4輪駆動で劇的な進化を遂げたテスラ「モデル3」の完成度

2024.05.26

2023年上半期のグローバルでの新車販売ランキングで、EV部門のトップはテスラのSUV 「モデルY」だった。2位のモデルを20万台以上離して、ダントツのトップとなった。「モデル3」もガソリン車に混じって、9位に入る健闘ぶりをアピールしている。

「モデル3」がデビューしたのは2016年3月のこと。テスラ車のラインナップでは、最下限を受け持つコンパクトなラグジュアリーカーだ。発表から1週間で32万5000台の予約が入ったという。その後、ボディーやメカニカルな部分の改良などがあり、最新モデルは2023年9月に発表されたモデル。外観もヘッドライトやバンパーのデザインが変更された。

タッチスクリーンが大型化、すべての操作はこの大画面で

 内装では、インパネ中央の大きなタッチスクリーン液晶パネルが、フロントが15.4インチ、リアが8インチに拡大され、カードキー置き場やシステムに手が加えられている。テスラの場合、マイナーチェンジでのテクニカルなアップデートはPCを通して済ませることができるので、今回の主な改良はというと今回は、タッチスクリーンの大型化と機能の向上ということになる。

 それにしても久しぶりに試乗した「モデル3」の進化には驚いた。これが、クルマの世界で起こっている出来事なのかと思わされたほどだ。その象徴が、スタート時からの変速機の動きである。「モデル3」は、センターコンソールにもコラムにもシフトに関する装置は一切なかった。それどころか、イグニッションにあたる、走行のためのモーターを作動させるスイッチもない。

 では、どうやって走り出すのかというと、運転者は、カードキーでドアを開けて、センターコンソール前の棚にカードを置く。これだけでスタートの準備はOK。そしてシートベルトを締める。Dレンジへのシフトはセンターの画面で行なう。画面の端にDとRの表示が出るので、それを指でスライドさせるだけ。上にスライドすればDレンジで、クルマは走り出す。下にスライドすればRレンジで後退する。

 とにかくすべての操作は、この大型画面で行なう。ドアミラーの角度を調節するのも、画面でミラーの画面を出し、ここで調節するのだ。もちろん走行モード(コンフォート/標準)やハンドル操作の重さ(コンフォート/標準/スポーツ)も画面で行なう。

 今回、試乗したのは「ロングレンジAWD」。前後車軸にモーターを搭載したデュアルモーターの4輪駆動車だ。2023年1月時の車両本体価格は651万9000円。システム最高出力は450PS、最大トルクは559Nmで、一充電での走行可能距離は前モデルを17km上回り、706kmに達している(WLTCモード)。

「モデル3」はもう1グレード「RWD」も用意されている。こちらは後輪駆動の1モーター。264PS、340Nmで一充電での航続可能距離は、前モデルより8km向上し、573km(WLTCモード)で、車両本体価格は561万3000円と、性能に対し価格の安さもウリのひとつになっている。

「ロングレンジAWD」で試乗に出かけた。無音の室内でアクセルを踏むと、車体は軽快に動き出し、加速を開始する。相変わらず速い。この日も、試乗中の加速テストでは0→100km/hが4秒台。カタログデータに近い数値で走り切った。

「ロングレンジAWD」の車両重量は1840kg。ボディーサイズも出力もレクサス「IS」に近いがEV独特の速さは「IS」の敵ではない。しかも価格は「IS」よりも安いのだ。装備品も安全装備を含めて充実している。大抵の安全装備は標準装備されている。

 操縦性は低速域でのハンドルは軽めで、抵抗なく切り込んでいくことができる。車速が上がれば、直進性が強くなり、操舵力も重くなる。コーナーではやや軽めの操舵力だが、車速が高まると、コンフォートモードでも、クイック感のある切りこみフィーリングが、スポーツ走行の楽しさを教えてくれる。乗り心地はやや硬め、試乗車は冬用のノキア製を装着していたので、標準車の乗り心地は比較できなかった。

「モデル3」は、ファミリーカーとしての地位も、コンパクトカーならば考えなければならない。とくに後席の居住空間は、後席も使うファミリーカーとして気になる。今回のモデルから後席にも8インチのリアタッチスクリーンが装着された。これで、家族での長距離旅行での退屈もかなり解消されるハズだ。

 後席は着座は高めで、長身者は乗り込み時などでドア上縁がぶつかりそうになる。身長165cmあたりまでが、快適空間。床面はフラットなので、横3人掛けもできる。残念なのは、後席ドアウインドウは、全開にしても、約1/3が残ってしまう。後席の背もたれは6対4で背のみ前倒しできるが、起こした時にシートベルトがシートの間に挟まってしまう。こうしたところにクルマづくりの甘さが感じられてしまうのは残念だ。

 荷物の収納はボディー前のボンネット下と、後部のスペースに十分に確保されている。新しくなった「モデル3」は、ますます近未来的なEVになった。細かい改善点も、おそらく改善されるに違いない。

 充電設備も、独自の給電設備を充実させているので、都会でも給電の不安はかなり解消されている。もちろん700km以上の航続距離の長さも、日常の不安を薄めてくれる。実用車としてのEVなら「モデル3」はNo.1と言えるだろう。

■関連情報
https://www.tesla.com/ja_jp/model3

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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