セックスレスに悩む夫婦は多い。その一方で、セックスレスではない夫婦も存在するが、夜の営みを定期的に行うか、行わないかでどれだけ夫婦仲や不倫・浮気率に差が出るのだろうか?
既婚者マッチングアプリ「Healmate」を運営するレゾンデートルはこのほど、20~50代で非レスの既婚男女400名を対象にした「夫婦間セックス頻度」「セックス満足度」「夫婦仲の良さ」「婚外恋愛・不倫・浮気率」などを尋ねたアンケート調査の結果を発表した。
なお、本調査におけるセックスレスの定義は「本人がセックスレスととらえている」という主観的なものだ。日本性科学会の定義(1994年)は「(挿入と伴わない性的コンタクトも含む)性的接触が1か月以上ないカップル」では実態との乖離を生じると考え、本人の認識を重視した。
1 非レス夫婦のセックス頻度は?
今回は「セックスレスではない」と回答した1,274人から男女400人を無作為抽出した。
非レス既婚者の夫婦間セックス頻度はどのくらいだろうか。
調査の結果は、「非レス」と認識している人でも、セックス頻度は少ないというものとなった。「月に数回程度」(男性23.0%、女性21.0%)、「年に1回もない」(男性21.5%、女性27.5%)が多くを占める。「週に1回」以上の頻度で配偶者とセックスをしている既婚者は男性4割、女性3割しかいないのだ(男性37.0%、女性30.5%)。
■非レスの既婚男女:年代別の夫婦間セックス頻度
年代別にみると、非レス夫婦のセックス頻度に違いがあるだろうか。まずは男性から。
20代男性ですら約4割しか「週1回以上」でセックスしていなかった。それどころか20代男性の約3割は日本性科学会の定義(1か月以上なし)ではセックスレスに該当する。30代も「週1回以上」は約4割だが、「ほぼ毎日」「週に数回」の割合が減り、「週に1回程度」が増えているので、全体の頻度は低下している。40代になると「週1回以上」は約3割強、50代では3割にまで低下する。
続いて女性の場合は次の通り。
非レスの20代女性で夫と「週1回以上」セックスしている人は46.0%。30代になると「週1回以上」は32.0%と一気に減る。40代になると「週1回以上」は26.0%、50代では18.0%しかいない。
一方、日本性科学学会の定義(1か月以上なし)でセックスレスに該当する女性は、30代では34.0%、40代で38.0%、50代では急増し62.0%にもなる。女性は「自分は非レス」と考える人でも年齢を追うごとにセックス頻度が低下するようだ。子育てや更年期の影響も大きいだろう。
この調査結果からは「日本人は、自分はセックスレスではない考える人でもあまりセックスしない」ということがわかる。
世界的な避妊具メーカーDurex(デュレックス)社が2008年に公表した調査によると、年間の性交回数は、ギリシャが164回/年で1位、ブラジルが145回/年で2位、ポーランドとロシアが143回/年で3位となり、世界平均は103回/年となった。しかし日本は48回/年しかなく最下位だ(産経新聞記事)。草食化が進んだ2024年現在は、さらにセックス頻度が低下していると思われる。
■非レスの既婚男女:子供の有無による夫婦間セックス頻度
「セックスレスではない」と回答した非レス既婚者だが、20代・30代でもセックス頻度は高くなく、年齢が上がるにつれてさらに頻度が下がることがわかった。そこで、年齢以外のもう一つのファクターとして、子供の有無別に比較した。
すると、子供のいない非レス夫婦は、「セックス頻度が高い層」「セックス頻度が低い層」の割合が共に、子供のいる非レス夫婦よりも高いことがわかった。子供がいないために気兼ねなく性生活を送る人がいる一方で、もともと性生活に興味が乏しい人の割合が高い(その結果として子供がいない可能性もあり)ということだろうか。
なお、子供の有無による違いを年代別にみても、グラフの全体の結果と比べて特筆すべき違いはなかったので、全体のグラフのみ示す。