いざ実食!無塩カレーと減塩カレー、どうよ?
続いて、試食する寺田の前に運ばれてきたのは2種類のカレー。白皿は無塩、茶色の皿は通常のカレーに含まれる食塩量よりも25%減塩したカレーだ。
香りはいたってスパイシー。食欲をそそるが、ふつうのスプーンで口にしてみると?
普段からカレーやラーメン、ファストフードなどのしょっぱい食事を愛する編集部・寺田。
「……(無言)」。ま、そうなりますわな。トマトなどの野菜がたっぷり煮込まれているので、決してマズくはないものの、やはり物足りない様子。
さあ「エレキソルト スプーン」の出番。味わいを増幅してもらいましょ!
強度レベルはMAXの4(青色の点滅)に設定して、無塩カレーに挑む。
まずは無塩カレーから試食。「エレキソルト スプーン」をスタンバイする。
使い方は、いたってシンプル。スイッチを約2秒長押しして、ランプが黄色に点灯したら、電源が入ったしるし。あとは同じボタンを押して、強度を4段階から選ぶだけ。体験会では、MAXの4で試すことになった。
すくう時には、先端の電極にカレーがたっぷり触れている必要がある。宮下教授によると「食品を介してイオンが集まるので、電極に食品が触れていることが大事です」。
「早食い」を自負する編集部・寺田。0.5秒を意識しながら口に含むと、食べる速度も自然とゆっくりに。
また、口に含む時は0.5秒かけてゆっくりと、もコツだ。これは効果が発現するまでの時間を考慮しての秒数。キリンホールディングス・佐藤さんによると「だいたい0.3秒ほどで電流は流れますが、より味わいをしっかり感じていただくためにも0.5秒をおすすめしています」。
すくっては食べ、すくっては食べ、じ~っくりと試食した編集部・寺田。普段はあまり味を追求しながら食事する機会はないそうだが、感想を聞いてみる。
「無塩なのでもちろん塩味は感じませんが、トマトの旨みをよりしっかり感じるような!?」
旨みも食欲が増す大事な要素だ。無塩カレーで旨みがアップするのは大事なポイントじゃないだろうか。
続いて、減塩カレーもふつうのスプーンで試食。こちらもトマトなどの野菜の旨みはあるものの、やはり普通のカレーに比べたら、どうしたって物足りない。
そして再び「エレキソルト スプーン」の出番。ゆっくりじっくり食べ進め、お皿が空になった寺田に効果のほどを尋ねてみると?
「あの、ねえ……」。曇る寺田の顔。曰く、正直なところ塩味の増幅は感じられなかったという。「オレの舌がだめなのかなあ……。トマトの旨みは感じるんだけど」と続ける。実際、「エレキソルト」の試験では、31人の被験者のうち2人が味わいの増幅を感じられなかったというから、もしかしたら寺田もそのごく一部なのかもしれない。
しかし、そもそもゆっくり食べるという行為自体も健康につながる。日頃は早食いで、健康的な食事を意識したことがないと胸を張る寺田。「オレも今年で54歳、そろそろ健康を考えないといけないなあと思っていたところ。こういうデバイスがあれば、日本人の健康寿命が伸びることにつながるんじゃないかな!?」(編集部・寺田)
味わいが増幅するメニュー、そうでもないメニュー
使用後は、先端部分だけ外して手洗いできる。柄の部分は生活防水程度で、拭いて手入れする。
ちなみに「エレキソルト スプーン」で、より味わいが増幅するのは、カレーや汁物。とくにラーメンのスープはおいしかった!と、キリンホールディングスの佐藤さんは言う。
一方で、肉料理などの咀嚼が多いメニューは、あまり増幅感が得られないのだとか。
「パクッと口に含んだ後、スプーンを口から離して咀嚼する時間が長いものの場合、効果は発現するのですが、持続しづらいんです。今後は、効果がより速く発現し、より長く感じられるように改良を重ねてゆきたいです」(キリンホールディングス・佐藤さん)
また、宮下教授によると、ヨーグルトなど酸味のあるものや、スイーツの甘みも増幅する可能性があるとのこと。「お汁粉にほんの少し塩をきかせると全体的な旨みが増す味の〝相互作用〟というものがあるように、この商品を使うことで食品に含まれる塩分が引き立ち、酸味や甘みなどを一層感じる場合があります。そうしたおいしく食べられるメニューを、ユーザー含めみんなでシェアしてゆけたらよいですね」(宮下教授)
約5年の開発を経て、2024年6月にいよいよ発売
「エレキソルト スプーン ES-S001」。サイズ約W250×D38×H25(mm)。
気になる価格は1万9,800円(税込)。初回は200台限定の予約・抽選販売になるという。その受付は6月2日までで、手元には6月中旬に届く。気になる方は、オンラインストアへ急げ!
取材・文/ニイミユカ