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ビジネスシーンにおける「平素は格別のご高配を賜り」の意味と正しい使い方

2024.06.19

「平素は格別のご高配を賜り」という表現を、ビジネスメールや案内状などで目にしたことはありませんか。

御礼を伝えるときに慣用句的に使っている方もいますが、意味をしっかりと理解しておくと、より心のこもった挨拶文として使えるようになります。

「平素は格別のご高配を賜り」の詳しい意味や使い方、言い換えの表現をご紹介します。ぜひ参考にして、「平素は格別のご高配を賜り」をビジネスシーンで使いこなしてください。

「平素は格別のご高配を賜り」とは?意味をご紹介

挨拶のイメージ

■言葉の意味

「平素は格別のご高配を賜り」を単語ごとに分け、意味を見ていきましょう。

・平素:普段、常日頃(つねひごろ)
・格別:普通の場合とは程度・事柄が違っていること
・高配(こうはい):他人を敬って、その心配りをいう言葉
・賜る(たまわる):「もらう」の意の謙譲語。目上の人から物などをいただく、ちょうだいする

すべての単語をつなげた「平素は格別のご高配を賜り」は、「普段から程度の違うお心配りをいただき」という意味です。常日頃、配慮してくれている人に対して、尊敬と感謝を示すときに使いましょう。

参考:デジタル大辞泉

■普段から交流のない相手には使わない

「平素は格別のご高配を賜り」は、普段から気にかけてくれている方に対して使う言葉です。

そのため、頻繁に交流しているわけではない相手に「平素は格別のご高配を賜り……」と言うと、「あまり連絡していないことに対して嫌みを言っているのかな?」と、勘繰られてしまうかもしれません。

普段から交流のない相手に対しては、「平素」を抜いて、「格別のご高配を賜り……」と言うほうがよいでしょう。また、「平素」だけでなく「いつも」や「普段」も嫌味になってしまう可能性があります。相手との交流の頻度を考慮して、適切な言葉を選ぶようにしてください。

■基本的には感謝の表現をつなげて使う

「平素は格別のご高配を賜り」は、相手の心配りに対して使う表現のため、基本的には尊敬と感謝を示す定型句です。

しかし、分解して意味を調べると、感謝を示す単語は一つも含まれていないことに気づくのではないでしょうか。

つまり、「平素は格別のご高配を賜り」と言ったところで、相手への感謝そのものは伝えていないといえます。

「平素は格別のご高配を賜り」の後に、感謝の言葉をつなげ、相手が普段から示してくれる心配りに対する思いを伝えましょう。

「平素は格別のご高配を賜り」につなげて使う表現

道で会うイメージ

「平素は格別のご高配を賜り」の後には、感謝の表現をつなげることが一般的です。「ご高配」や「賜る」のように敬語表現が含まれているため、つなげる感謝の文章も、相手への敬意が伝わる言葉を選ぶようにしてください。

■誠にありがとうございます

「誠にありがとうございます」は、堅苦しくない表現ですが、丁寧語の「ございます」を含んでいるため、相手への敬意も示せます。

【例文】

・本日はようこそおいでくださいました。平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
・支配人の〇〇です。平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

参考:デジタル大辞泉

■厚く御礼申し上げます

「申し上げる」は「言う」の謙譲語です。感謝の気持ちを表す「御礼」につなげて「御礼申し上げます」とすれば、目上の人やビジネスシーンにも使える表現になります。

【例文】

・ご挨拶が遅れ、申し訳ございません。また、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
・平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。これからも末永くお付き合いくださいませ。

参考:デジタル大辞泉

■深謝申し上げます

「深謝」には、「心から感謝すること」という意味があります。「言う」の謙譲語である「申し上げる」をつなげ、目上の人やビジネスでの感謝の表現として活用しましょう。

【例文】

・平素は格別のご高配を賜り、深謝申し上げます。
・本日のご来店、誠にありがとうございました。また、平素より格別のご高配を賜り、深謝申し上げます。

なお、深謝には「心から詫びること」という意味もあります。次のように、謝罪のときにも使ってみてください。

【例文】

・不手際があり、ご迷惑をおかけいたしました。深謝申し上げます。
・この度は大変申し訳ございませんでした。深謝を申し上げます。

参考:デジタル大辞泉

「平素は格別のご高配を賜り」の言い換え表現

挨拶するビジネスパーソン

「平素は格別のご高配を賜り」は普段からお世話になっている方に使える便利な表現ですが、何度も繰り返し使うのでは語彙力に乏しい印象を与えてしまうかもしれません。いくつか言い換え表現を覚え、状況に応じて使い分けるようにしましょう。

■日頃はひとかたならぬお引き立てを賜り

「ひとかたならぬ(一方ならぬ)」とは、普通の程度ではないことです。普通以上の特別なお引き立てをしてくださった方に対して、次のように感謝を述べてみてはいかがでしょうか。

【例文】

・日頃はひとかたならぬお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
・日頃よりひとかたならぬお引き立てを賜り、恐悦至極に存じます。

なお、恐悦至極(きょうえつしごく)とは、「相手の好意などを、もったいなく思って喜ぶこと」です。

参考:デジタル大辞泉

■毎々格別のご厚情を賜り

「毎々(まいまい)」とは、「いつも」や「毎回」を表す言葉です。また、「厚情(こうじょう)」とは、「心からの深い思いやりの気持ち」です。普段から深い思いやりを示してくれる方に対しては、次のように表現してみてはいかがでしょうか。

【例文】

・毎々格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。
・皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。毎々格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。

参考:デジタル大辞泉

■この度はご用命を賜り

お世話にはなっているものの、心配りや関わりの頻度があまり高いとはいえないクライアントから依頼が来たときは、次の表現を使って感謝を示しましょう。

【例文】

・この度はご用命を賜り、ありがとうございます。

あえて「平素」や「毎々」を使わないことで、嫌みに受け取られることなく、感謝を示せます。

ビジネス慣用句のバリエーションを増やそう

笑顔のイメージ

「平素は格別のご高配を賜り」は、主にビジネスシーンで活用する慣用的な表現です。類似する言葉を覚えておくと、普段からお世話になっているクライアントや取引先へ使う表現のバリエーションが広がります。

また、関わりの頻度によっては「平素」を使わないことで、相手に不快な思いを与えないことも大切です。適切なシチュエーションで、適切な言葉を選ぶようにしていきましょう。

構成/林 泉

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