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「年収の壁」がなくなった時、もっと働きたいと思う人はどれくらいいる?

2024.05.22

年収が一定の水準を超えると、社会保険料の負担が増え手取り収入が減ってしまういわゆる「年収の壁」が問題となる。

日本労働組合総連合会は、いわゆる“年収の壁”や年金に関する意識・実態を把握するため、「年金に関する調査2024」をインターネットリサーチにより2024年3月27日~3月29日の3日間で実施。

全国の15歳以上の男女1,000名の有効サンプルを集計したので、注目のポイントをピックアップしてお伝えしよう

“年収の壁”を理解していない人は56.4%!?実際に労働時間を調整している人の割合は?

まず、全回答者(1,000名)に、103万円の壁、106万円の壁、130万円の壁など、いわゆる“年収の壁”を理解しているか聞いたところ、「理解している」は43.6%となった。

一方「あまり理解していない」は40.5%、「まったく理解していない」が15.9%で、合計した『理解していない(計)』は56.4%という結果に。

男女別にみると、理解している人の割合は、男性では48.0%と、女性(39.2%)と比べて8.8ポイント高くなっている。

世代別にみると、理解している人の割合は、50代以上(50代50.6%、60代以上52.4%)では半数を超えていた。

世帯別にみると、理解している人の割合は、共働き世帯(夫婦のどちらも扶養に入っていない51.3%、夫婦のどちらかが扶養に入っている56.9%)で高い結果となっていた。

年収が一定の水準を超えると社会保険料の負担によって手取り収入が減ってしまったり、扶養からはずれてしまったりするケースがある。

また、配偶者控除や配偶者特別控除が受けられなくなったり、控除額が減少したりするケースも。このようなことを避けるための労働時間の調整について質問した。

有職者※(713名)に、労働時間を一定に抑える調整をしているか(所定労働時間を短くしたり、年末にかけてシフトを調整したりするなど)聞いたところ、「調整している」は13.3%、「調整していない」は86.7%という結果に。

男女別にみると、調整している人の割合は、女性では22.0%と、男性(6.0%)と比べて16.0ポイント高くなっている。

配偶者や配偶者以外の親族の扶養に入っている人(123名)についてみると、調整している人の割合は、全体では63.4%、女性では67.8%、男性では51.5%となった。

※会社員、公務員・団体職員、経営者・役員、パート・アルバイト(学生アルバイト含む)、自営業・フリーランス等、その他有職

また、子どもがいる人といない人に分けてみると、調整している人の割合は、子どもがいない人では15.0%と、子どもがいる人(11.1%)と比べて3.9ポイント高くなっている。

共働きの人(275名)について、配偶者の昨年の年収別にみると、調整している人の割合は、400万円~600万円未満(22.2%)や800万円以上(23.3%)では2割を超え、600万円~800万円未満(40.0%)では4割となったのに対し、400万円未満の層(200万円未満2.6%、200万円~400万円未満4.5%)では1割に満たない結果に。

配偶者が働いている人(365名)に、配偶者は労働時間を一定に抑える調整をしているか(所定労働時間を短くしたり、年末にかけてシフトを調整したりするなど)聞いたところ、「調整している」は13.4%、「調整していない」は86.6%。

配偶者が扶養に入っている人(73名)についてみると、配偶者が調整している人の割合は63.0%となった。

また、子どもがいる人といない人に分けてみると、調整している人の割合は、子どもがいる人では14.7%と、子どもがいない人(8.8%)と比べて5.9ポイント高い結果に。

共働きの人(275名)について、自身の昨年の年収別にみると、調整している人の割合は、400万円以上の層(400万円~600万円未満34.5%、600万円~800万円未満19.6%、800万円以上28.6%)と比べ、400万円未満の層(200万円未満0.0%、200万円~400万円未満10.8%)で低くなっていた。

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