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生成AIを搭載したスマートフォンの出荷量、2024年末には全体の9割を占める可能性

2024.05.23

香港を拠点とする調査会社テクノロジー業界専門調査企業、カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー (英文名: Counterpoint Research HK 以下、カウンターポイント社)は、スマートフォングローバル市場における出荷量全体に対するGenAIスマートフォンのシェアは2024年に11%に達し、さらに2027年には43%、台数では5.5億台を突破するという予測を含むGenAI Smartphone Shipments and Insightsによる最新調査結果を発表した。

2027年にはGenAIスマートフォンのインストールベースは10億超と予想

スマートフォングローバル市場全体に対するGenAIスマートフォンの成長は、約4倍を超える予測だ。

2027年にはGenAIスマートフォンのインストールベースは10億を超えると予想され、今年後半にAppleがこのセグメントに参入すると予想される中、この予測値はカウンターポイント社が2023年12月に発表したものより高い数字になっている。

同社ではGenAIスマートフォンを、大規模な事前学習済みAIモデルによるオリジナルなコンテンツの生成、あるいは、状況に応じたタスクの実行機能を持つモバイル機器と定義している。

また同社は、こうした機器が、マルチモーダルな入力である、例えば、テキスト、画像、音声などを処理して、多様な出力を生成することで自然でシームレスなユーザー体験を与えるようになると考えている。

こうした機器のハードウェア性能は、技術の進化に伴って向上していくことが考えられるが、現状では、生成AIのモデルを動作させるには、現在のフラグシップスマートフォンと同等かそれ以上の性能が必要だ。

■2024年は、このままSamsungがGenAIをリードすると見られる

カウンターポイント社リサーチディレクターTarun Pathak氏は次ようにべている。

「これまでに10を超えるスマートフォンメーカーが、30を超えるGenAI搭載スマートフォンを発売している。AI搭載スマートフォンは、年初以来大事なセールスポイントになっている。

特に、SamsungがGalaxy S24シリーズのデビューを成功させ、AIのユースケースに対して良い評判を得られて以降、各社はAIを推すようになった。2024年は、このままSamsungがGenAIをリードすると見られる。

Samsungが先行者利益を享受するのは、ここ数年で2回目である。1回目は折りたたみ型の成功だった。今後数年に渡ってGenAIの機能がより広く認知されるにつれ、AIにおける現在の優位性を活かして、中価格帯~高価格帯スマートフォンのセグメントでのSamsungの勢いが続くだろう」

Pathak氏は、さらに次のように続ける。

「Samsung以外においては、期待されているAppleの参入がこのセグメントの成長をさらに加速することになる。そして、Appleが市場に参入すれば、2025年以降に発売される中価格帯~高価格帯スマホにとってAIは必須の機能になる。

もっとも、真の差別化はユースケースにある。消費者は、自分が将来購入する端末にAIがどんな潜在的な影響を与えるか、まだ見定めているからである」

グローバル市場におけるGenAIスマートフォン出荷予測

出典: カウンターポイント社 Smartphone 360 Service, GenAI Smartphone Shipments and Insights Report

カウンターポイント社アソシエイトディレクターMohit Agrawal氏は、以下のように話す。

「将来のスマートフォンは、各自のニーズや好みに応じる、よりパーソナライズされた機器になる。そして、パーソナライズされた体験を提供する上で、AIは中心的な役割を果たすことになる。

メーカー各社はAIに関するポジショニングで違いを出そうとしており、その鍵はAIのユースケースにある。今のところ、ユースケースとしては、画像加工の高度化、翻訳機能、アプリの体験の改善、コンテンツのリコメンド、よりその人に合わせたコンテンツ生成などがある。こうしたユースケースは、大規模言語モデル(LLM)が規模と性能において成長すると共に進化していくだろう。

カウンターポイント社では、エッジ機器(携帯機器)とクラウドの統合がスマートフォンにおける生成AIの基本的なアーキテクチャになるとみている。

そして、メーカーの中で、ハードだけでなくソフトにおいても強みを持ち、戦略的なパートナーシップを業界内で構築できる企業が、競争の中で一歩抜きんでるだろう」

■2024年末には600米ドル超と400~599米ドルがGenAIスマートフォンの9割を占める可能性

今後については、GenAIスマートフォンは2025年に変曲点を迎えると予想される。

その要因は、この時期に搭載機器の価格帯が広がることが見込まれることにある。特に400~599米ドルの価格帯への展開が重要だ。

2024年末には、600米ドル超と400~599米ドルがGenAIスマートフォンの9割を占める可能性がある。

MediaTekやQualcommなどの主要チップセットメーカーは既に生成AIスマートフォンへの対応で先行してい流。

各社はマルチモーダルな大規模AIモデルを端末で実行できるようなモバイル向けコンピューティングプラットフォームを発売している。

2024年のAI SoCはQualcommがリードし、GenAIスマートフォンの出荷のほぼ半分を獲得しており、これに次ぐのがMediaTekで、13%のシェアとなっている。

関連情報
https://japan.counterpointresearch.com

構成/清水眞希

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