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専門医に聞く「サイレントキラー」と呼ばれる高血圧の症状と対策

2024.05.23

高血圧症は、脳卒中や心疾患を引き起こす危険因子だ。にもかかわらず、自覚症状がほとんどなく、健康診断で医師から指摘を受けてもどこか他人事のように捉えてしまう人もいる。

そもそも高血圧とはどんな病気なのか、また、どんな対策が考えられるのか。

今回は、株式会社CureApp5月17日の世界高血圧デーに合わせて配信した「専門医に聞く、高血圧のウソ・ホント」というプレスリリースから福岡大学医学部衛生・公衆衛生学主任教授の有馬 久富氏による、高血圧に関する素朴な疑問への解説を抜粋してお届けする。

専門医に聞く、高血圧のウソ・ホント

Q.高血圧とはどんな状態?病気なの?

A.血圧とは心臓から血液が全身に送り出される際に血管にかかる圧力のことで、心臓からポンプのように押し出される血液量と、血管のしなやかさ(収縮の程度)によって決まります。数値の高い上の血圧は心臓が収縮している時、数値が低い下の血圧は心臓が拡張している時にそれぞれ血管にかかる圧力の値のこと。診察室での上の血圧が 140mmHg 以上、または下の血圧が 90mmHg 以上の場合、またはこれら両方を満たす場合、高血圧と診断されます。

Q.高血圧は命に関わる病気ですか?

A.高血圧は、日本人の三大死因に含まれる心疾患及び脳血管疾患を引き起こす最大の危険因子です。高血圧を完全に予防することで、年間10万人以上の人が死亡せずに済むと推計されています*1。

Q.高血圧はどれぐらいの人が患っている?

A.潜在患者も含めると現在、日本に約4,300万人と推定されている高血圧患者のうち、実際に治療を受けて血圧をしっかりコントロールできている人はわずか30%未満の1200万人*2といわれています。自覚症状がないため、健康診断などで指摘されても放置されてしまうことが多いのも現状です。過去数十年で大きく減少したとはいえ、現在でも国民全体の約3人に1人、20歳以上ではおおよそ2人に1人は高血圧と言われています*1。

Q.自覚症状はありますか?

A.サイレントキラー(静かなる殺人者)といわれるように、ほとんどの人に自覚症状がありません。にもかかわらず、脳や心臓の血管が動脈硬化を起こし、腎臓のはたらきが悪くなることもある決して侮れない病気。まさに“高血圧は万病のもと”と言えるでしょう。

もし、早朝の頭痛/夜の頻尿や呼吸困難/めまい・ふらつき/下肢冷感(足の冷えを感じる)等のような症状があれば、高血圧によって何らかの合併症を引き起こしていることが疑われます。もしも気になる症状などがあれば早めに「かかりつけ医」に相談しましょう。

Q.放置するとどうなる?

A.健康診断で高血圧を指摘されたけれど、症状がないからと放置すると、突然、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気になることがあります。さらに、徐々に腎機能が低下して透析になってしまうこともある恐ろしい疾患です。一度高血圧を指摘されたのであれば、家庭内で定期的に血圧測定を行い日々の血圧の値を確認しましょう。その上で医療機関で相談をし、必要であれば症状のないうちから血圧の治療を始めましょう。

Q.お薬はずっと飲み続けるの?

A.血圧を下げる薬は、一度飲みだすと一生飲み続けなければならないというのを耳にしたことがあると思います。実際に、降圧薬には薬を飲んでいる間、高い状態の血圧を下げる作用があるので、服用を止めれば血圧は元に戻ってしまう可能性は高いと言えます。

一方で高血圧は生活習慣を改善して、血圧を正常に維持できるようになれば薬の量を減らしたり、薬をやめたりすることも可能です。高血圧は適切な対応で治すことが可能な疾患なのです。

Q.血圧を下げる方法はありますか?

A.高血圧の予防、改善には、食事や運動、嗜好品の見直しなどの生活習慣の改善が有効です。例えば減塩や塩分を排出する排塩(はいえん)を意識したり、肥満予防のために暴飲暴食を控えて運動を取り入れたり、飲酒をする人は減酒に努めましょう。生活習慣を改善しても血圧が下がらない場合にはお薬を始めることや、合併症などによって直ちにお薬が必要な場合もあります。

*1 Ikeda N, Saito E, Kondo N, Inoue M, Ikeda S, Satoh T, Wada K, Stickley A, Katanoda K, Mizoue T, Noda M, Iso H, Fujino Y,
Sobue T, Tsugane S, Naghavi M, Ezzati M, Shibuya K. What has made the population of Japan healthy? Lancet 2011;
378:1094-1105.
*2 https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_noprint.pdf

生活習慣の改善に役立つヘルスケアツール最新事情

このように高血圧は恐ろしい病気である一方で、生活習慣が血圧の安定や改善に大きな効果をもたらすこともわかっている。しかし、慣れ親しんだ習慣を変えることはとても困難を要することも事実。今では生活習慣の改善のために様々なヘルスケア機器が流通している。

■塩分測定器

食品や調味料などの塩分濃度を測ることができる。普段の食事でどれぐらいの塩分量を摂取しているのかを知ることができる。

■血圧測定が可能なスマートウォッチ

おおよそ150年前に誕生した腕時計は近年、目覚ましい発展を遂げている。歩数や移動距離、消費カロリー、血中酸素濃度、心拍数や睡眠など様々な身体データを記録、確認でき、生活リズムのサポートに役立てられている。血圧測定ができるものも増えており、最近では医療機器としての認証を取得しているものも発売されている。ご自身の健康管理やライフスタイルに合わせて、最適なスマートウォッチを見つけてみよう。

■塩味を増強させる減塩食器

大手飲料メーカーのキリンホールディングスからは、減塩食品の塩味を約1.5倍に増強させる独自の電流波形を開発し、この技術を搭載したスプーン型、及びお椀型の「エレキソルト」デバイスを開発したことが発表された*3。とてもユニークで夢のある製品で、人類の健康のために発売が待ち遠しいものだ。

*3 電気の力で、減塩食の塩味を約1.5倍に増強するスプーン・お椀を開発 | 2022 年 | キリンホールディングス

■高血圧治療補助アプリ

高血圧の治療には、主に薬物療法と生活習慣の改善の2種類がある。高血圧治療補助アプリは、医師や看護師などの医療従事者の介入が難しい、診療と診療の間のとなる家庭での生活で、患者さんの生活習慣の改善をサポートする。2022 年に保険適用され、医師の処方によって使用することができるアプリで、6か月間で生活習慣の改善を目指すプログラムだ。

・本製品は高血圧診療の医師の診断のもと処方され、患者が使用する管理医療機器
・販売名:「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」・承認番号:30400BZX00100000

上記はほんの一例だが、ご自身の生活に取り入れやすいツールを見つけて、生活習慣の改善に取り組んでみてほしい。

【監修医師】有馬 久富(ありま ひさとみ)氏

福岡大学医学部 衛生・公衆衛生学主任教授
1993年九州大学医学部卒業。九州大学第二内科へ入局し、久山町研究に従事。シドニー大学ジョージ国際保健研究所客員研究員、九州大学環境医学分野助教を経て、2008年より再びシドニー大学ジョージ国際保健研究所で講師として2年間、准教授として3年間大規模臨床試験に従事。

2014年より2年間、滋賀医科大学アジア疫学研究センターで特任教授として疫学研究に従事後、2016年4月より現職。専門分野は、高血圧・脳卒中の疫学および臨床研究。

出典元:株式会社CureApp

構成/こじへい

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