突然だが、あなたは今、幸せだろうか?
言うまでもなく幸福の基準は十人十色。では、その多寡を数値化して他国と比べた場合、日本は世界第何位になるのだろうか。
世界最大規模の世論調査会社イプソスはこのほど、日本を含む世界30カ国23,269人を対象に、2024年イプソスグローバル「幸福感調査」を実施した。
その結果、「幸せである」と回答した日本人は57%であり、2011年の調査から13年間で13ポイント減少していることがわかった。グローバル比較では、調査対象国30カ国中28番目の低さだ。また、世代別では、「幸せである」と回答した人は、「ベビーブーマー世代」が最多で、「X世代」が最下位という結果になった。詳細は以下の通り。
「幸せである」と感じている日本人は13年間で13ポイント減少し、30カ国中28番目の低さ(グラフ1、グラフ2)
「幸せである」と感じている日本人は回答者全体の57%であり、対象国の中でも下から3番目という低さだった。また、本調査を開始した2011年の70%と比較し、13ポイント減少していることがわかった。なお、この13年間では2011年の70%が最多回答となった。
「幸せである」と感じている世代、トップは「ベビーブーマー世代」、最下位は「X世代」(グラフ3)
世代別の結果では、「幸せである」と回答した人の割合は、X世代が49%と最も少なく、次いで少ない順に、ミレニアル世代、Z世代、ベビーブーマー世代と続いた。トップと最下位の順位は30カ国のグローバル平均でも同様の傾向が見られた。
人生で満足している項目は1位が「自分の子供」、最下位は「自国の経済状況」(グラフ4)
今回の調査結果について、イプソス株式会社代表取締役社長の内田俊一氏は以下のように述べている。
「今回の調査では、X世代が最も幸福感を感じていない世代となりました。これはグローバルでも同様の傾向が見られました。世代的にはミドルエイジ・クライシス、いわゆる“中年の危機”世代にあたり、肉体的な衰えを感じ始め、それが精神にも影響する。
また、夫婦間の問題や子育てに介護、会社での役割の変化など、内からも外からも大きく影響を受けるということがその要因になっているのではと想像します。日本人全体としての幸福感は年々低下傾向にありますが、この傾向は日本だけに限ったことではありません。政治不信、紛争や自然災害、新型コロナウイルスなど様々な要因に起因してのことではないでしょうか。本調査は今後も継続的に実施していきます。どのような変化がみられるのかはまたお知らせしていきます」
【調査背景】
イプソスでは定期的に、世界の人々の幸福感や、家族や友人、仕事、学校、生活の質など幸福を左右するものに対する意識やその変化の動向を観測し、理解するための調査を行っている。
【調査概要】
調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム 、IndiaBus プラットフォームを使用したオンライン調査
調査対象: 世界30カ国23,269人
イプソスはインドの18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、米国の18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールの21~74歳、その他の国の16~74歳の成人
実施日: 2023年12月22日(金)から1月5日(金)
調査機関:イプソス
出典:イプソス株式会社
構成/こじへい