「貧すれば鈍する」の対義語
「貧すれば鈍する」には、次のような対義語があります。
・貧は世界の福の神(ひんはせかいのふくのかみ)
・貧にして楽しむ(ひんにしてたのしむ)
「貧は世界の福の神」とは、貧しい人はその境遇のためにかえって発奮し努力し、今の状態から抜け出そうとするのであり、結果として幸運をもたらすという意味です。貧しいことを肯定的に捉えており、「貧すれば鈍する」の対義語といえます。
「貧(ひん)にして楽しむ」は、貧しいことを楽しむという意味です。中国の古典「論語」にある「未だ貧にして楽しみ、富みて礼を好む者に若しかず」という言葉が由来となっています。
貧乏な状況でも、心に余裕を持って楽しむ心境を指し、貧しくなると心も愚かになるという「貧すれば鈍する」とは反対の言葉です。
【例文】
・彼は貧しい環境で育ったために、人一倍努力して会社を起業し、上場企業になるまでに成功した。貧は世界の福の神の見本といえる
・給与が減って生活は苦しくなったが、節約すればそれなりに生活でき、お金のかからない趣味を楽しむこともできる。貧にして楽しむことが人生を豊かにする秘訣だ
「貧すれば鈍する」は類義語と一緒に覚えよう
「貧すれば鈍する」とは、貧しく生活が苦しくなると、頭の働きも鈍くなるという意味です。生活に追われて心に余裕がなくなり、正常な判断ができなくなることを指します。
「衣食足りて礼節を知る」や「知恵の鏡も曇る」といった類義語があり、対義語には、「貧は世界の福の神」や「貧にして楽しむ」があげられます。
「貧しさ」に関わることわざは多く、まとめて覚えておくと理解しやすいでしょう。特に類義語を知っておけば、言い換えも可能になり、語彙力がぐっとアップするはずです。
構成/編集部