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ワークスマシンに近い走りを楽しめるTOM’S「GRヤリス TSS340」の魅力

2024.05.19

 ドアを開けると、そこには5点式のシートベルトが装備された細身のフルバケットシート。腰がスッポリはまり、着座位置は超低め。ハンドルの上部がドライバーの目の高さというポジションだ。反発力の強いクラッチペダルを踏み込んで、1速にシフトする。すでに3気筒1.6Lのガソリンターボエンジンは暖気を終え、アイドリングも安定している。

 この低いポジション。サーキットなら走り出して、縁石側に行き、縁石に片輪をのせて車幅感覚をつかむのだが、ここは公道なのでそんなことはできない。慎重に走り始める。しかし、クルマがゆっくり走ることを許してくれなかった。1速5000回転まで回すと、45km/h。アッという間に2速でも5000回転をオーバーする。エンジン回転は8000回転スケールで、6900回転からレッドゾーンへ。これはベースになった「GRヤリス RZハイパフォーマンス」と同じだ。シフトアップして加速していくと、7000回転で燃料がカットされるが、その時は法定速度をオーバーしている。

「GRヤリス」をベースに、レースの世界ではトップクラスのTOM’Sがチューニングをしたコンプリートカーを試乗した。レーシングチームのチューニングカーというと、一般の人たちとは無縁のハイパフォーマンスカーと思うが、TOM’Sのクルマは違う。トヨタ公認のチューニングカーなのだ。トヨタのディーラーでも購入できるのが、街中でのチューニングカーとの違い。

 海外ではメルセデスベンツのAMG、BMWのアルピナ、ポルシェのRUFと同じような存在なのだ。それだけにクルマとしての完成度も高い。「GRヤリス」もメーカー自身が生産しているハイパフォーマンスカーだ。それを単純にパワーアップするのではなく、車両全体のクオリティーがアップしているのがTOM’Sのコンプリートカーということになる。

「ヤリス」の場合、当然だがエンジンは272PSから340PS、トルクも370Nmから470Nmにアップ。ECUのセッティング、タービン、インタークーラー、エキゾーストシステムに手が加えられている。このノウハウは、スーパーGTやスーパーフォミュラで2年連続チャンピオンマシンを開発している技術陣とチームのトップドライバーが開発にあたっている。

 走り出してからのエンジンの吹き上がり感はノーマルの「GRヤリスハイパフォーマンス」をさらに超えている。しかし、走り出しの冷えたデフからのゴツゴツという手応えなどは、レースやラリーでの競技車両そのもの。このあたりのフィーリングは、レースやラリーに出場したことのあるドライバーならワクワクするに違いない。

 街中でのTOM’S「GRヤリス」は、常に短い振り幅の上下動と、重いハンドル、反発力の高いクラッチとの戦いだ。このクルマの走りの楽しさは、中・高速に入ってからだ。上下動も収まり、硬さにも慣れてくると、車両の安定感が気になってくる。車速が高まるほどに、フロントとリアの動きがシャープになり、安定感が増す。これは、ノーマルボディーに新たに加えられたエアロパーツの威力だ。

 レーシングマシンを手がけているチームにとって、空力抵抗の少ないボディーを造るのは、得意とするところ。しかし、このクルマはトヨタディーラーでも販売するコンプリートカーなので、法規は厳守しなければならない。

 フロントラジエターグリル下のディフューザー、ホイールハウスの空気を整流する空気取入口、細かい空気の流れを受ける小さな突起、ガナード。リアは大きなルーフの整流ウイングやバンパー、バンパー下のディフューザーなどが独自のテクニックで、実車に装着されている。この効果は、高速だけでなく、中速域でも生きてくる。

 その効果を体感できるのは、サーキットだけでなく、ラリーコースのようなグラベルのワインディング。ハンドリングのシャープさは、前後のサスペンションセッティングでも十分に楽しめるかもしれないが、同じコースを「GRヤリスハイパフォーマンス」でトライした経験からフィーリングを思い出しながらでも、ハンドルを切る手首の動きでのクルマの動きのシャープさは、異なっている。その動きは、ラリー用のコンペティションマシンのように感じる。もちろん、プロフェッショナルラリーストのスピード領域とは違うが、体に伝わってくる振動や視界が、その気分にさせてくれるのだ。

 アマチュアドライバーにとって、829万円という標準装備価格は高額だが、ワークスマシンに近い乗り物が手に入るなら、楽しい出費といえるかもしれない。

■関連情報
https://completecar.tomsracing.co.jp/toms_completecar/toms-gr-yaris/

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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