外資系CA(客室乗務員)でカナダ在住のRyucrewさん。関西出身らしいジョークと明るさでしゃべりまくるYouTube番組の、「関西弁CA/ Ryucrew」が大人気だ。現在、チャンネル登録数は約25.5万人。CA歴10年のRyucrewさんに、飛行機内を快適に過ごすライフハックなどを教えてもらおう。
コロナ禍のレイオフが生んだ大人気YouTuber
――はじめまして!Ryucrewさん。YouTube番組では旅のお得なライフハックのほか、私達の知らない飛行機での快適な過ごし方や、旅レポートが大人気ですが、YouTubeを始めるきっかけがコロナだったと聞いて驚きました。
Ryucrewさん はい、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大では、航空機業界にも甚大な影響を及ぼしました。最初の衝撃はいまだに忘れられません。2020年3月のことでした。
当時、私が住むカナダでも新型コロナウイルスが感染拡大しているという報道がされ始めていました。でも、「アジアのほうはだいぶ流行ってんねんな」という感じで、まだ他人事でした。その日、私はカナダでホノルルに向かう便に搭乗して、18時の便でお客様の登場が可能になったことをゲートのスタッフに伝えました。
普段ならばすぐにお客様が機内に入ってくるはずなのに、なかなか来ない。機内にいるフライトアテンダントたちも、一体どうしているのかと不思議に感じたので、私がゲートまで行って様子を見に行きました。ゲートの内は、大混乱していました。泣いているお客さんもいらっしゃいました。
わけがわからず、近くにいたスタッフに聞くと、カナダ政府が1-2時間前に「海外に渡航した場合、帰国後は2週間の隔離をする」と発表したとのこと。お客様は隔離されるのを覚悟で搭乗するか、キャンセルするかで迷い、修羅場でした。私がコロナを身近に感じた、最初の出来事です。その後、感染はどんどん拡大して、人であふれかえっていた空港や飛行機からあっという間に人の姿が消えました。本当に衝撃的でした。
カナダの航空会社が従業員をレイオフし、私も約1年4か月の間、レイオフされていました(カナダでは比較的簡単にレイオフされることがあります)。その間、始めたのがYouTubeです。旅行系YouTuberさんがUber Eatsの配達動画をアップされていて、それをまねしたのが始まりでした。その後、自分の強みが発揮できるフライトアテンダントの仕事や、旅行に関する動画をアップするようになったのです。
以前、YouTubeのコメントで「カナダではCAって言いませんよね?」と書き込まれたことがあります。北米ではフライトアテンダントと呼ばれるのが一般的ですが、日本ではCAという言葉が浸透しているので、日本語で話す時はCAで統一しています。
企画ナシの自然体が人気の秘訣!?
――YouTuberとして動画づくりで心掛けていることは何ですか?
Ryucrewさん 見ている人を絶対に不快にさせないことなど、いろいろありますが、一番は「つくり込まないこと」だと思います。企画を立てたり、「ここは映えるから」と撮影するのではなく、旅行先もあらかじめ決めずに、自然で等身大の自分を出すように心がけています。
ある意味、コテコテの企画感が無いからこそ、気軽に見ていただけるのではないかと思っています。あと、YouTuberが本業ではなく、それはあくまで趣味なので、撮影も編集作業もすべて自分一人で楽しくやっています。私の勤務している外資系航空会社は、副業が認められているので、これからも自然体で楽しみながら、続けて行きたいです。