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ダイエットにおいて「食べる時間帯の制限」より重要なこと

2024.05.18

減量の鍵は摂取時間帯の制限ではなく摂取カロリーの減少

減量のためのダイエット法の一つとして近年「時間制限食」が人気だが、減量にとって重要なのは摂取時間帯を制限することではなく、摂取カロリーの減少であることを示すデータが報告された。

米ジョンズ・ホプキンス大学医学部のNisa Maruthur氏らの研究結果であり、米国内科学会年次総会(ACP2024、4月18~20日、ボストン)で4月19日に発表されるとともに、論文が「Annals of Internal Medicine」に同時掲載された。

時間制限食(time-restricted eating;TRE)が減量に役立つとする報告が増えているが、その効果が、摂取時間帯を制限することに伴う摂取カロリーの減少から独立したものであるのかどうかは依然として明らかになっていない。

そこでMaruthur氏らは、摂取カロリーを一定にした上で、TREと通常の食事パターン(usual eating pattern;UEP)の減量効果を比べる無作為化比較試験を行った。なお、研究背景として述べられているところによると、肥満成人が食事摂取の時間帯を1日4~10時間に制限すると、摂取カロリーが自然に約200~550kcal減少して、2~12カ月間にわたって体重低下が続くというエビデンスがあるという。

この研究の参加者は、肥満のある前糖尿病または食事療法を行っている糖尿病の成人41人(平均年齢59歳、女性93%、平均BMI36)。無作為に1:1で2群に分け、TRE群は食事摂取可能な時間帯を10時間以内に限定し、午後1時までに1日の摂取カロリーの80%を摂取することとした。

一方のUEP群は食事摂取可能な時間帯を16時間以内として、午後5時以降に1日の摂取カロリーの50%以上を摂取することとした。1日の摂取カロリーと栄養バランスは両群で等しくなるように設定した。介入前の体重は、TRE群95.6kg(95%信頼区間89.6~101.6)、UEP群103.7kg(同95.3~112.0)で、介入期間は12週間だった。

主要評価項目である介入期間中の減量幅は、TRE群が2.3kg(同1.0~3.5)、UEP群は2.6kg(同1.5~3.7)であり、平均差は0.3kg(同-1.2〜1.9)であって、減量効果は同等と考えられた。

また、副次的評価項目として設定されていた血糖関連指標の変化も有意差がなかった。この結果を基に研究者らは、「TREが流行しているが、日々の摂取カロリーを減らせば、いつ食べても体重は減少する」と結論付けている。

この論文に対して、米イリノイ大学のKrista Varady氏、Vanessa Oddo氏が付随論評を寄せている。両氏はMaruthur氏らの研究報告を高く評価した上で、「それでも肥満者がTREを試みる価値がある」としている。

具体的には、「TREの人気の高まりは、その容易さによるものである可能性が最も高い。つまり、カロリー計算が必要ないということが、支持される理由だ。摂取可能な時間枠を設けることは、それだけで1日の摂取量を減らすのに役立ち、結果として減量に効果的である」と述べている。(HealthDay News 2024年4月19日)

Copyright (C) 2024 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M23-3132

Editorial
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M24-0695

構成/DIME編集部

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