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大企業の定義とは?中小企業との違いや企業選びのポイント

2024.06.03

求人情報や統計資料など、さまざまなシーンで『大企業』や『中小企業』という言葉が用いられています。『大企業』や『中小企業』とは、どのような企業を指すのでしょうか?定義やそれぞれの魅力、企業を指すその他の用語を解説します。

大企業の定義とは

さまざまなシーンで耳にする大企業という言葉には、どのような定義があるのでしょうか?その魅力と併せて紹介します。

■資本金や従業員が多い企業のこと

大企業がどのような企業を指すのかについて、法律などで定義されているわけではありません。一般的には、資本金が多い企業や従業員数が多い企業を指し、調査や統計によって定義が異なります。業界によって定義が異なるケースもあるため、注意が必要です。

一例として、日本銀行や厚生労働省は『資本金が10億円以上』『全常用労働者数が1,000人以上』の企業を『大企業』としています。どのような企業を大企業と呼べばよいか迷ったときは、上記を一つの参考にするとよいでしょう。

2019年度の税制改正前は、大規模法人が直接にその株式又は出資を有する法人(その大規模法人を親法人とする子法人のみ)がみなし大企業に該当することとされていましたが、同改正後は、大規模法人が直接又は間接にその株式又は出資を有する法人がみなし大企業に該当することとなり、みなし大企業の範囲が拡大されています 。

出典:賃金構造基本統計調査 調査の概要|厚生労働省
出典:「短観(全国企業短期経済観測調査)」の解説 : 日本銀行 Bank of Japan

みなし大企業の意味は?

国が実施する事業などで、『みなし大企業』という言葉が用いられることもあります。みなし大企業とは、規模は大企業の定義に当てはまらず中小企業に分類されるものの、何らかの理由で大企業と同じように扱われる企業のことです。

みなし大企業とされる主な理由には、以下のようなものがあります。

  • 大企業の完全子会社である
  • 大企業が大部分の資金を出資している
  • 発行済み株式の一定割合以上を大企業が保有している

みなし大企業に該当すると、国や地方公共団体が中小企業向けに実施する、支援制度・助成金事業の対象から外れるケースがあります。

■大企業の魅力

転職を検討している人にとって、中小企業と比べて大企業には以下のような魅力があります。

  • 休日が多い
  • 有給休暇取得率が高い
  • 賃金水準が高い

ただし、上記はいずれも統計から分かる一般的な傾向で、全ての大企業に共通するものではありません。実際の休日日数・賃金水準は企業によって異なるため、転職を予定している企業の情報を念入りに調べましょう。

転職先が大企業だからといって、中堅企業・中小企業に比べて働きやすい環境であると思い込んでいると、ミスマッチに陥りやすくなります。

大企業と中小企業との違い

新人研修のイメージ

(出典) pixta.jp

大企業の対義語は『中小企業』です。中小企業とはどのような企業を指し、どのような特徴を有しているのでしょうか?以下で中小企業の定義や、転職先として検討しているときに意識したいことを紹介します。

■中小企業は業種によって定義が異なる

大企業とは異なり、中小企業には『中小企業基本法』で明確に定義されています。2024年時点での定義は、以下の通りです。

業種 資本金の額または出資総額 常時使用する従業員の数
小売業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
製造業、建設業、運輸業その他 3億円以下 300人以下

同法では、特に規模が小さく、常時使用する従業員の数が20人以下である事業者を『小規模企業者』として区別しています。中小企業と小規模企業は別のものを指すため、混同しないように注意しましょう。

出典:中小企業基本法 第2条 | e-Gov法令検索

■中小企業の特徴

世の中に数多く存在する中小企業には、以下のような特徴があります。自分にとって魅力的だと感じるのであれば、転職先の候補に中小企業を含めてもよいでしょう。

  • 一人一人の裁量権が大きく、幅広い業務に携われる
  • 従業員の数が少なく、他の従業員や経営者との距離が近い環境で働ける
  • 大企業と比較すると賃金水準が低い傾向がある
  • 企業の成長に貢献できるチャンスをつかみやすい
  • 意思決定がスムーズで、スピード感があるビジネスを展開できる

ただし、大企業のときと同様に、上記の特徴は中小企業全体に共通するわけではありません。転職するときは、入社したいと思っている企業の特徴がどのようなものか、きちんとリサーチすることが大切です。

大企業に似ている用語

打ち合わせのテーブル

(出典) pixta.jp

調査や統計においては、大企業とセットで『大手企業』『中堅企業』『上場企業』という言葉が用いられます。それぞれ、どのような意味があるのでしょうか?以下で定義を紹介します。

■大手企業

各業界で知名度が高く、社会に幅広く知られている企業を総称して『大手企業』と呼びます。多くの商品をリリースしている企業や、有名なサービスを提供している企業など、特定の業界における代表的な存在であることが一般的です。

資本金・常用労働者数が多く大企業に該当する企業であっても、社会に広く知られていない場合は大手企業ではなく『準大手企業』と呼ばれます。大企業=大手企業ではないため、混同しないように注意しましょう。

■中堅企業

大企業より規模が小さい企業を『中堅企業』と呼びます。具体的には、『資本金が1億円以上10億円未満の企業』を指すのが通常です。

大企業として知られている企業より規模は小さいものの、業界内で重要な役割を果たしていたり、独自のサービスで知られていたりする企業もあります。

なお、2023年11月には新たな中堅企業の定義として、『常用労働者数が300人以上2,000人以下の企業』とする案も示されています。今後、中小企業基本法の改正が行われれば、定義が変更される可能性があるため、動向に注目しましょう。

出典:7 企業規模別に見た企業の交易条件
出典:中堅企業支援 (METI/経済産業省)

■上場企業

自社の株式を証券取引所に上場していて、自由にトレードできる企業を総称して『上場企業』と呼びます。株式の上場には証券取引所による審査を通過する必要があるため、上場企業であるということは、それだけで一定の社会的信用があることを意味します。

上場企業の対義語は『非上場企業』で、株式を証券取引所に上場していない企業全てを指します。上場の有無のみに基づく分類であり、大手企業・中堅企業のように企業規模によって分類するものではありません。

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