今年のゴールデンウイークは最長10連休で、旅行やアクティビティを楽しめた人も多いのではないだろうか。連休明けは、リフレッシュしたことで「明日からまた頑張ろう」などと前向きに社会復帰したいものだが、この時期に増加する「5月病」と呼ばれる体調不良にも注意が必要だ。
「5月病」は、新たな環境に身を置くことによって感じるストレスや緊張が、不眠や動悸、気分の落ち込みなどがあらわれる症状だ。特に新社会人や転職した人などが大型連休明けに緊張感が途切れ、意欲低下に陥ることを表した造語だとされている。最近では、梅雨や気圧の変化などの気候不順も相まって「6月病」という言葉も登場した。
こうした中、クレアージュ東京 レディースドッククリニックは、「5月病」と「更年期症状」との見分け方やセルフケア方法についてのレポートを公開した。
40~50代の約2人に1人※が「5月病」に近い体調不良を感じている
「5月病」は、新社会人や学生など若い人に多い症状のように感じるかもしれないが、実はそうではない。
アンケート調査※を行ったところ、40~50代女性の約2人に1人が大型連休明けに体調不良を感じていることがわかった。また、その半数以上が「気温・気候の変化」による不調だと回答。環境の変化だけでなく季節の変わり目も「5月病」の要因であるといえる。
しかし、本当に「5月病」が原因なのだろうか。この年代にみられる心身の不調は「更年期症状」の可能性があるため、自身の不調の原因を知ることが大切だ。
※ 全国10~60代女性に実施したweb調査(2024年4月/n:500)
それって本当に「5月病」?「5月病」と症状が似ている「更年期症状」とは
「更年期」とは、閉経の前後約10年間に女性の誰もが経験するものだ。40代以降、女性ホルモンの分泌が急激に減少することで、心身に変化をもたらし、その中でも症状が強いものを「更年期症状」と呼ぶ。人によって症状や程度は異なるが、「不安」や「倦怠感」など、「5月病」に近い症状が出る場合がある。
医師が解説する「5月病」と「更年期症状」の共通点や見分け方は?
体調の変化を、自身で「更年期症状」だと判断することは簡単ではない。では、「5月病」と「更年期症状」は、どのように見分けることができるのか、クレアージュ東京レディースドッククリニック総院長の浜中聡子先生に聞いた。
●「5月病」と「更年期症状」に共通する精神的症状
・気分に波がある
・やる気が出ない
・不安感
●「更年期症状」特有の体の変化
・暑さに関わらず、さらっと汗が出る・ほてる
・手足が冷える
・夜中に目覚めてしまう
「5月病」にもおすすめ!「更年期症状」のセルフケアで女性ホルモンを味方に
「更年期症状」は、日常生活にセルフケアを取り入れることで改善が期待できます。更年期に乱れがちな自律神経を整えるために、適度な運動、質の良い睡眠、入浴、栄養バランスのよい食事などを意識することで体内のリズムが整います。また、これらは連休明けの生活習慣の改善にも有効なので、無理のない範囲で実践しましょう。
更年期のからだと上手く付き合っていくために
「5月病」は正式な病気ではないことから、体調が落ち着くまで我慢される方がいますが、中高年の方は女性ホルモンの変化によって「更年期症状」が現れている可能性があるため、特に注意が必要です。
更年期は、加齢やホルモンの変化だけでなく、季節の変わり目に感じるストレスなど、人によって症状の起因が異なります。そのため、更年期世代に入ったら一度「更年期ドック」などの健診で自身の健康状態をチェックするのも一つの手です。女性の体をトータルに相談できる婦人科や内科のかかりつけ医を持つことも、心と体のセルフケアに繋がります。この時期になりやすい病気について知り、長く健康を維持できるようにセルフケアや健診を有効に取り入れましょう。
●クレアージュ東京 レディースドッククリニック 浜中聡子総院長
抗加齢医学に基づいたからだエイジングドック、女性の更年期障害治療、ストレスとうまく付き合うことを目的としてストレスドック等の治療を提供。
多くの臨床経験はもちろん、海外のエイジングケアに関わる資格を取得した知識を活かし、女性のお悩みに向き合い、心身ともに健康で充実した毎日を過ごすことができるよう、医療面からサポートを行っている。懇切丁寧な診療で多くの女性から高い支持を得ている。
構成/こじへい