レクサスは、「LM」の国内仕様のラインアップに6座仕様車の“version L”を追加設定し、2024年5月9日より販売を開始した。
初代LMは、主に中国やアジア地域でのショーファードリブンMPVの需要に応えるために、2020年に販売を開始。4座/7座仕様を提供し、幅広いユーザーに好評を博してきた。
このLMは、2023年のラグジュアリーマーケットにおけるユーザーの価値観の変化をうけ、車名が意味する「ラグジュアリームーバー」としての価値や存在意義をあらためて見直し、全面刷新。すべての乗員が、自然体でくつろげる乗り味と居住空間を作り上げることを目指した。乗員はノイズや不快な振動を気にすることなく、車内での時間をゆったりと過ごすことができる。さらに、ドライバーは素直で正確な操縦性などにより、乗員に気を遣うことなく運転の楽しさを実感できるようになっている。
そのエクステリアデザインは、気品のある存在感と空力性能を考慮した、機能的本質と動的性能がスタイリングからも伝わるレクサスのデザインランゲージに沿ったものとなっている。インテリアデザインは、前席周りは運転に集中できる機能性と上質感を兼ね備え、後席はゆったりと過ごせる広さと仕立てのいいシートやトリム、そしてあらゆる時間の過ごし方に対応できるさまざまな装備を用意している。
そして国内では、次世代レクサスが多様なユーザーの選択肢として提案する新たなフラッグシップモデルとして、2023年に4座仕様車の“EXECUTIVE”を発売。多くのユーザーから高い評価を得てきた。
今回、新たに追加する6座仕様車の“version L”は、“EXECUTIVE”同様に「素に戻れる移動空間」をコンセプトに開発した。クルマとしての素性を徹底的に鍛え上げ「対話のできる走り」を追求したほか、運転する楽しさと、乗り心地や静粛性を両立した。
この6座仕様車では、ビジネスやプライベートを含むユーザーの様々な利用シーンを想定し、開放感と見晴らしに配慮しながら、多人数乗車においてもパーソナル感を尊重した、リラックスできる室内環境づくりに力点を置いた。「ラグジュアリームーバー」ならではのきめ細やかな心遣いと多彩な装備で、すべての乗員が自然体で過ごせる居住空間を提供する。
快適性と利便性を両立した開放的なインテリア
ユーザーが素に戻れる時間を提供すべく、人間中心の考え方に基づいた精緻なつくり込みを実施。室内高のあるパッケージを生かしながら、広く心地よい空間を水平・垂直を基調としたシームレスなデザインテーマで表現し、リビングのようにくつろげる世界観を追求した。
そして6座仕様車は、どのシートでも快適に過ごせるようパッケージングに考慮してシートを配置。大人6人の定員乗車でもゆったり座れるよう、前後左右の乗員との距離を十分に確保した。
開放感・見晴らしに配慮しながら、前後左右に広がりのあるトリムやオーバーヘッドコンソールを配し、多人数乗車においてもパーソナル感を尊重したリラックスできる空間を追求。2列目シートには左右席それぞれにマルチオペレーションパネルを装備、後席オーバーヘッドコンソールは3列目シートからの使用性にも配慮した。助手席のヘッドレストは前方可倒、上下調整が可能。後席の開放感と見晴らしに配慮した、より快適な空間づくりに寄与。
また、乗員に最適な車内環境の実現をサポートする「リヤクライメイトコンシェルジュ」は、エアコン/シートポジション/サンシェード/照明などを統合制御。4種類のプリセットモード(Dream/Relax/Focus/Energize)に加え、乗員の好みに応じてカスタマイズできるモードも用意し、より快適な空間を提供する。
人間工学に基づき、乗り心地を追求した快適なシート
すべての乗員が快適に過ごせるよう、新たなフラッグシップモデルにふさわしい乗り心地を目指し、新設計のGA-Kプラットフォームを採用。高剛性化や軽量化・慣性質量の低減など次世代レクサスが一貫して取り組んでいる「素性の刷新」をLMでも実践した。走行中の疲労原因のひとつとなる揺れの軽減や視線の安定化への取り組み、また「心地よく感じる自然な静けさ」という“静粛感”にこだわり、徹底したチューニングで対話のできる走りを実現した。
シート開発では、新たなフラッグシップモデルに相応しい上質で快適な乗車体験を実現すべく、どの座席に座っても心身共に自然体でいられるよう乗員の身体の動きを細かく分析。モーションキャプチャーをもとにしたデータ解析と官能評価を繰り返し、乗員の体の動きを徹底的に調査。特に頭部の揺れが疲労に大きく影響することに着目し、座面の体圧分散や体幹の保持を追求した。身体を腰で支えるシート構造を採用し、骨盤を少し立て気味にすることで快適性の高いシートとしている。
さらにフロントシートは座面の面圧分布を最適化し、旋回時のGの大小にかかわらず身体をホールド。疲労を軽減する座り心地と、クルマとの対話に集中できる環境を追求している。
2列目シートでは、特性の異なる2種類の衝撃吸収材と柔らかな表皮を使用することで、停車時から走行時まで乗員を優しく包み込みながら支える構造とした。また路面入力によるシート揺れを抑えるため、クッションフレームとレッグフレームの間に防振ゴムを設定し、振動を大幅に低減。アームレストは、形状を弓なり型にすることで自然なひじの高さになるよう配慮し、通常使用時もリクライニング時も無理のない体勢でリラックスできる。クッションチルト・ランバーサポートが様々な体格の方の好みに合わせた着座姿勢を可能にする。
そして3列目シートは、2列目シート同様に乗員を優しく包み込みながら支え、ゆったりと座れるようシートバックとクッションに厚みを持たせている。さらに、リクライニング時により自然な姿勢を保てるよう、シートバックの形状を最適化している。
【メーカー希望小売価格】
LM500h “version L” 15,000,000円(税込)
【主要諸元】
全長:5,125mm
全幅:1,890mm
全高:1,955mm(17インチタイヤ装着車は1,945mm)
ホイールベース:3,000mm
パワートレーン:2.4L直列4気筒ターボハイブリッドシステム[eAxle]
タイヤサイズ:17/19インチ
車両重量:2,440kg
関連情報:https://lexus.jp/models/lm/
構成/土屋嘉久