【AJの読み】カラオケ業態のノウハウを活かした時間制カフェ
「カラオケ館」は都心の一等地に、ビル一棟でのビジネスモデルを作り上げているのが強みで、新しくオープンした「タイム珈琲店 銀座店」も、自社ビルであるカラオケ館 銀座総本店の1階と地下1階での営業となる。
新型コロナの感染拡大で、最も影響を受けた業種のひとつがカラオケ。同社も主力業種のカラオケ業態に大きなダメージを受けたことから、外部環境の変化に耐えられる事業を模索。そのひとつが、同社の強みでもある駅前立地の自社ビルを活用した今回のカフェ業態の展開だ。
平日はビジネスマン、休日は買い物客やインバウンドで賑わう銀座ではカフェ需要が高く、多くのカフェが林立している。タイム珈琲店では競合との差別化を図るためカラオケ業態のノウハウを生かして、時間制というシステムを導入した。
また、人手不足が続く飲食業界では人員確保が大きな課題となっており、同店は最新のデジタル技術を用いた店舗運営で人手不足に対応し、無人セルフレジ、無人ゲートの導入によりコストを削減、モーニングランチの無料提供やフリードリンクサービスを実現した。
銀座のど真ん中で、時間制で滞在できるためテレワークとして使えるのも利便性が高い。Wi-Fi完備、各座席にコンセント・USB電源を設けており、禁煙・喫煙エリア、紙たばこ専用ルームの各室にデスクスペースとリクライニングシートがあるワーキングスペースが確保されており、作業環境としても最適だ。
満席だった場合はゲートが開かない仕組みなのか尋ねたところ、現在のシステムでは席が埋まっているかどうかの把握はできないそうで、課題として今後検討していくとのこと。特に席数が少ない禁煙エリアで入った場合、満席で席が確保できないという心配もあるため、この課題については早急な対応を求めたい。
取材・文/阿部純子