■連載/阿部純子のトレンド探検隊
時間単位で滞在できる新しい形態のカフェ
カラオケチェーン店「カラオケ館」を運営するB&Vが、新規事業となるカフェ施設「タイム珈琲店 銀座店」をオープンした。
タイム珈琲店の大きな特色は、カラオケと同様に時間制を取り入れたこと。基本料金は60分で990円。30分(495円)単位で延長ができる。小学生は半額、未就学児は無料。
また、時間制の利点を生かしたフリータイムサービスもあり、7~22時が最大4時間で2200円、23時から翌朝5時までが最大6時間で2200円。Wi-Fi、各席電源完備でリモートワークとして使ったり、終電を逃した際の滞在場所としても利用できる。
もうひとつの特色が、店舗運営をDX化したセルフサービス型システムの採用。TOUCH TO GOが開発した多機能セルフレジとゲートを組み合わせた「TTG-MONSTAR GATEWAY」を導入し、自動入退店、自動精算システムでセルフ化を実現した。
入店の際は、利用者が入口の端末で「滞在時間」を購入し、QRコードの印字されたレシートをゲートにかざして入店する。
追加の注文を行う場合は、店内にある「TTG-MONSTAR」でセルフオーダーを行い、呼び出し用のサイネージに表示される番号を確認し、商品を受け取る。店内にあるMONSTARで「滞在時間」を追加購入することで時間を延長することも可能。
退店時はゲートにQRコードをかざすとゲートが開く。購入した時間を過ぎた場合はゲートが開かないが追加料金を精算すればOK。時間内であればカフェの出入りは自由にできる。
タイム珈琲店のコンセプトのひとつが喫煙コーナーの設置。1階が禁煙フロアで42席、地下1階が喫煙フロアで70席(電子たばこ54席、紙巻たばこ16席)と、喫煙席数の方が多くなっている。
時代の流れに逆行するような喫煙設備についてB&Vでは、歩きたばこや路上喫煙の解消促進と、街中での副流煙による受動喫煙の削減、喫煙場所が減る中で座ってゆっくりとたばこを吸える場所の提供を目的としている。
「懸念される未成年の喫煙や深夜の利用ですが、顔認証システムを導入しており、未成年者の方はAIによる顔認証でスタッフに通知されます。その際にスタッフがお客様に目視で確認し、明らかに未成年と思われた場合は、禁煙エリアへご案内したり、22時以降の滞在はお断りしています。
また、深夜時間帯でのセキュリティの観点から、泥酔されているお客様についても顔認証システムで確認してお断りすることも想定しています」(B&V 常務執行役員 大沼淳氏)
提供されるメニューはドリンク、軽食、スイーツ。スペシャルブレンド、エメラルドマウンテン、キリマンジャロブレンドの3種類のコーヒー豆を使ったコーヒーと、20種類のソフトドリンクが飲み放題で利用できる。ドリンクをミックスしてオリジナルドリンクを作る組み合わせも提案しており、ミックスジュースを含めると全52種類に。
さらに、7:00~13:30は無料で選べる「モーニングランチ」を提供。6種類の中から1品無料で受け取ることができる。トーストは小倉、グラタン、ピザの3種、ホットケーキ、そのほか豚汁と焼きおにぎり、きつねうどんの和食メニューも。
13:30~22:00は有料メニューを提供。軽食はグラハムロールサンド(530円)、バケットサンド(530円)、トルティーヤドック(275円)の3種。
紅茶のシフォンケーキ (265円)、ベリーワッフル(340円)、キャラメルチョコロール(430円)、シナモンロール(430円)、アイスケーキ(ヨーグルトフルーツ、ベリーレアチーズ)(各380円)の6種のスイーツを用意している。