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日頃見聞きすることが多い四字熟語でも、正しい意味や使い方を把握していないことは珍しくない。「八方美人」は、そんな表現の一つだ。使われているシーンから、愛想が良い様子を意味することは理解できるものの、実際に言葉を使える場面までは理解していない人も少なくないのではないだろうか。
そこで本記事では、「八方美人」の正しい意味や使用シーン、八方美人と呼ばれる人の特徴を解説する。最後に紹介する八方美人との付き合い方も、ぜひこの機会に覚えておこう。
八方美人とは
まずは、八方美人の意味や例文を解説する。
■意味は「嫌われないように愛想良く振る舞う人のこと」
八方美人とは、嫌われないように誰に対しても愛想良く振る舞う様子やそのような人を指す言葉だ。八方美人は、どこから見ても欠点がない美人であるという、誉め言葉としてのもともとの意味が転じて、現在の意味に至った。
八方美人は嫌われたくない思いから同調するため、周囲からは一見、人当たり良く映る。しかし、自分の意見がなさそうに見えたり、誰に対しても良い顔をするために不信感を抱かれてしまったりすることがある。
■使い方と例文
八方美人を使うシーンとしては、人が誰に対しても愛想良く振る舞う場面が挙げられ、悪い意味で使われることが多い。
【例文】
「八方美人は信用できない」
「祖母から八方美人になるなと言われた」
「その様子だと八方美人としか思われなくなるよ」
「八方美人の言うことは当てにならない」
「八方美人の何が悪いんだと、彼は開き直った」
「八方美人」の特徴
次に、八方美人の特徴を紹介する。八方美人に関して理解を深めたい場合は、ぜひチェックしておこう。
1. 本心が見えない
本心が見えないのが八方美人の特徴だ。例えば八方美人は、本音を隠して周りに合わせるために平気で嘘をついたり、相手を褒めたりすることが多い。過剰な反応をすることもあるため、八方美人な人が相手に良い印象を抱いていなくても、相手は良い印象を持たれたと伝わる場合があるため注意が必要だ。
2. 誰にでも優しい
八方美人の人は、区別せず誰にでも優しいことが多い。例えば、八方美人だと、旅行に行った場合は仲の良い友達だけでなく、職場の人や知り合いにもお土産を購入する。
また、休日をゆっくり過ごしたいと考えていても、友達から食事に誘われたら基本的には断らずに受け入れることがほとんどだ。このように、誰に対しても良い顔をすることで、八方美人の人は嫌われないように振る舞っている。
3. 信頼関係を構築しにくい
八方美人は、周りの雰囲気や意見に同調しやすいため、本心が見えにくい。そのため、心から信頼できる友達がいないことがある。また、誰にでも優しいことで周りから信頼されにくくなるため、人間関係が構築しづらいのも特徴だ。
なお、八方美人の人は誰にでも平等に付き合うため、たくさんの人から好かれたい欲が強いことが多い。そのため、特定のパートナーがいたとしても、その人だけでなく他の人にも優しくして、いろいろな人に手を出せる状況を作るケースがあるため、気を付けよう。
「八方美人」との付き合い方
最後に、八方美人との付き合い方を紹介する。特にビジネスで人と触れ合うことが多い人は、コミュニケーションの際にぜひ役立ててほしい。
1. 信頼しすぎない
八方美人な人は誰に対してもフレンドリーなため、すぐに友達のように振る舞うことがある。そのため、こちらが油断して心を開き過ぎてしまうと相手との心の距離が近づきすぎ、かえってコミュニケーションがしづらくなるケースがある。自分の秘密や本音を気軽に言わないことや、ゆっくりと関係を深めることを意識しよう。
なお、八方美人な人は、共通の敵を利用して人間関係を築こうとすることがある。そのため、八方美人な人から他人の悪口を言われた際には、自分の評判を意識して悪口には同調しないように気を付けよう。
2. 適切な距離感を保つ
八方美人は人との距離感が近いため、親しくなると離れづらくなることがある。そのため、上司や同僚の場合は職場以外での付き合いを避けたり、はじめは急に親しくなり過ぎないように接したりして適度な距離感を保つのがポイントだ。
3. 八方美人であることを受け入れる
八方美人な人と接する場合は、相手が八方美人であることを踏まえて付き合うことで、相手の言うことを真に受けず疲弊せずに済む。八方美人な人は、自分だけではなく他の人にも優しくしていること、場面によって意見が変わることを受け入れて付き合おう。嫌われたくないだけで根はいい人だと考えるようにすると付き合いやすいため、おすすめだ。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部