今回、紹介したメルセデス・ベンツとBMWの新型車は、どちらも独立したトランクスペースを持つ4ドアセダンだが、前述のとおり、最近4ドアセダンが次々と姿を消している。例えば、国産車の場合、2014年は各メーカーから実に30車種もの4ドアセダンが販売されていた。ところが10年たった2024年は13車種まで減っている。マツダによると、アッパーミドルクラスの3BOXセダン『マツダ6』の生産を中止した理由について「売れないから」だそうだ。
日本の自動車メーカーは販売台数が伸びないと、すぐに生産中止を決断する傾向がある。売れないクルマは造らない、というのがセオリーとなっているようだ。一方、海外メーカーの場合、車両が売れなくても造り続けて、その過程で売れるクルマを追加していく戦略を取っている。ユーザーの需要がある限り、少量でも造り続けてほしいというのが個人的な見解だ。4ドアセダンにもほかにはない魅力や長所はあるのだから。
トヨタ『クラウン セダン』
730万円〜
DS Automobile『DS9』
781万3000円〜
取材・文/石川真禧照
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