他社発行のクレカの場合は手数料発生
キャッシュレス決済アプリには「チャージ機能」というものが存在する。銀行口座やクレジットカードから残高を補充できなければ、買い物どころではない。
ところが、現時点でのVポイントPayアプリはこのチャージ機能に難点がある。このアプリのチャージ方法は以下の4通り。
・Vポイント
・VポイントPayギフト
・クレジット、デビット、プリペイドカード
・銀行口座(銀行Pay)
ただ、現実問題として最も頻繁に用いられるのはクレジットカードとデビットカード、そして銀行口座からの引き落としだろう。
というわけで、筆者も早速銀行口座とアプリを紐付けしてみる。筆者は長年の三菱UFJ銀行の顧客で、ここでも三菱UFJの口座を連携させようとしたが……。
どうやらVポイントPayアプリの銀行口座紐付けは、三井住友銀行にしか対応していない!? 選択項目がそれしかないのだ。
SMBCグループのアプリだから三井住友しか選べないと言われればそれまでだが、これはちょっと興冷め……。仕方なく、クレジットカードを紐付けしてチャージする。とりあえず1,000円分……あれ? クレカからの引き落とし額、チャージ分より少し多いぞ!
この現象に関して、公式サイトにはちゃんと説明が記載されている。
「以下手数料無料対象カード以外の各社発行のクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードのVisa/Mastercardは手数料(204円(税込))がかかります。」
204円。これは無視できないほど高い手数料である。ATMで現金を引き出すのと大差ない!
あくまでも現時点(2024年5月)での仕様ということを強調しておきたいが、それでも三井住友銀行の口座を持っているかそうでないかで使い勝手に大きな差が出てしまうことは否めない。
他行との紐付けを希望!
今後、VポイントPayアプリが誰にとっても使いやすい決済手段を目指すとしたら、まずは「他銀行の口座との連携」が必須となるだろう。
それが実際に可能かどうかはさておき、他の都市銀行や地方銀行、そして信用金庫も輪の中に取り込むことができれば使い勝手は大幅改善される。日本では、地域によってはメガバンクよりも地銀や信金のほうが信頼されているという点を見逃してはならないだろう。
また、SMBCの発行ではないクレカに発生する手数料もユーザーにとっては問題だが、それを補う手段として「コンビニでの現金チャージ」を導入できないかとも思う。Tカードを頻繁に活用している実家の両親にVポイントアプリを勧めたはいいが、その両親は三井住友銀行の顧客ではない。従って、チャージ方法につまずいて結局アプリは使ってない……ということもあるのではと、筆者は邪推している。
そのあたりの課題をどう克服するのか、今後も注目していく価値は大いにある。
【参考】
VポイントPayアプリ-三井住友カード
クレジットカード・銀行口座からチャージする-三井住友カード
文/澤田真一