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脂肪を燃やすなどの働きを持つ腸内細菌「ヤセ菌」を増やす3つの方法

2024.05.14

多くの女性は腸活の大切さを理解しつつも、「運動をしないでゴロゴロしてしまう」(33.3%)実態が判明

今回の調査では、食・生活習慣における男女の違いや改善ポイントが明らかになった。

まず男性では、「太るとわかっていてもやめられないもの」で、「お酒」(男性37.4%・女性13.2%)、「お酒の後の〆のラーメン」(男性11.0%・女性3.1%)、「不規則な生活」(男性16.5%・女性8.5%)のポイントが高く(表8・表9参照)、女性の約2倍やそれ以上の数値になっている。

会社帰りにお酒でいい気分になった後はラーメンで締めて、気づけば今日も午前様…。そんな日々が肥満に結び付いているのだろうか。

一方、女性は「太りにくい体質になるために大切なこと」として、「運動や筋トレ、ストレッチをする」(56.6%)、「腸内環境を整える食品を摂取する」(49.6%)、「規則正しい生活」(40.3%)、「質のいい睡眠」(39.5%)など、腸活の大切さをしっかり理解しつつ(表6参照)、「運動をしないでゴロゴロしてしまう」(33.3%)、「だらだら食べる」(18.6%)を「太るとわかっていてもやめられない」実態が判明した(表9参照)。理想と現実のギャップの克服が女性の課題といえそうだ。

腸内環境改善で、目指せすっきり「ヤセ体質」!(解説/小林メディカルクリニック東京院長・小林 暁子氏)

スリムな体型を維持できるすっきり「ヤセ体質」の人と、太ってしまう「ぽっちゃり体質」。その違いは腸内環境にありました。

我慢して食事の量を減らしているのに、なかなかやせない。体重が減ってもすぐに戻ってしまう。そんな悩みをもたれている方は、まずは腸内環境を整えてみましょう。脂肪を燃焼させるためには、実はビタミンやミネラルなどの基本的な栄養が欠かせません。

■腸内環境によいものをしっかり食べることがヤセ体質への第一歩

私たちが食べた物は、まず小腸が消化吸収し、その後の残りカスは大腸が便に作り替えて体外に排出します。この一連の働きは腸管が収縮するぜん動運動によって行われ、スムーズに進むことで栄養たっぷりの血液が全身の細胞に届き、食べた物が活動エネルギーとして生かされます。

しかし、生活習慣やストレスによる自律神経の乱れなどで、このぜん動運動が停滞すると、栄養の消化吸収が落ちて血液の質が低下。排便もうまくいかず、腸内の老廃物などを含んだドロドロの血液が全身を巡ってしまいます。こうした血液は細胞に入り込めず、脂肪に蓄えられていくため、代謝が落ちて太りやすくなってしまうのです。また、血流も悪くなるので、冷えや肩こり、肌荒れなどの原因にもなります。

「やせたい!」と思うとつい食事制限に走りがちですが、たとえ減量に成功したとしても、それは一時的で長続きしません。健康的なヤセ体質に変わるためには、やみくもに食事の量を減らすのではなく、まず腸内細菌のバランスを整える善玉菌や食物繊維など、腸内環境によいものをしっかり食べることです。

便秘を防ぎ、栄養たっぷりの血液を細胞に届けるとともに、余分なものを排出するという腸のスムーズな働きを保つことがカギになります。腸内環境を整え、効率的にヤセ体質をつくることを第一に目指しましょう。

■「ビフィズス菌」は“ヤセ菌”! しっかり摂ろう

私たちの大腸には1000種類以上の腸内細菌が存在するといわれており、その腸内細菌のバランスが、やせやすさや太りやすさにも影響していることがわかってきました。最近特に注目されているのが、脂肪の吸収を抑えたり、脂肪を燃やしたりする働きを持つ腸内細菌。いわゆる“ヤセ菌”です。

“ヤセ菌”の1つにあげられるのが善玉菌の代表格である「ビフィズス菌」。「ビフィズス菌」は短鎖脂肪酸の1つである酢酸をつくります。この酢酸は強い殺菌作用を持ち、腸内環境を整えるのに有効です。また、短鎖脂肪酸の1つである酪酸を産生する日和見菌がいます。これらの腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸は、直接脂肪細胞に働きかけて余分な脂肪の蓄積を抑える作用や、腸のバリア機能を高めたり、全身に運ばれて臓器のエネルギー源になったりして、太りにくい体質づくりにつながり肥満を防ぎます。

このように、「ビフィズス菌」や一部の日和見菌が短鎖脂肪酸を産生する“ヤセ菌”ですが、日和見菌は、善玉菌が優勢であれば善玉菌の味方をし、悪玉菌が優勢であれば悪玉菌の味方をします。そのため、まず善玉菌である「ビフィズス菌」を増やし、日和見菌を味方につけてあげましょう。善玉菌優勢の腸内環境バランスを維持することが、“ヤセ菌”を増やして、働かせる近道というわけです。

その一方で“デブ菌”といわれる腸内細菌がいます。“デブ菌”は、食事から取り込むエネルギーの量が多く、肥満に結びつきやすいといわれています。肥満体質になるか、ヤセ体質になるかは腸内細菌次第。どんな腸内細菌を増やすかは、自分自身の心がけ次第なのです。

■“ヤセ菌”を増やす3つのメソッド

“ヤセ菌”を増やすために手っ取り早いのが、善玉菌の代表格であり“ヤセ菌”である「ビフィズス菌」を腸内に「入れる」こと。「ビフィズス菌」で腸内環境が改善すれば他の腸内細菌も短鎖脂肪酸を産生しやすくなります。

40代以降になると基礎代謝が低下します。特に女性の場合、50歳前後の更年期になるとさらに代謝が下がります。特に食べていなくても太ってしまう方が増えるのはこのためです。

【“ヤセ菌”を入れる】
40~50代になってから急激に太らないためには、若いうちから腸内環境に気をつけた食事をして、体重の変化の少ない生活を送りましょう。

【“ヤセ菌”を育てる】
腸内にビフィズス菌を入れて“ヤセ菌”を増やしたら、その菌を「育てる」ことが大切です。“ヤセ菌”を育ててくれるのが、“ヤセ菌”が大好きなオリゴ糖や水溶性食物繊維。

これらは、胃や小腸で消化・吸収されずに大腸まで届いて“ヤセ菌”のエサになります。そして、これらを分解、発酵してできるのが、“ヤセ菌”のポイントである短鎖脂肪酸です。オリゴ糖や食物繊維は、積極的に摂ることで、善玉菌が増え、日和見菌が味方して腸内環境はさらに改善します。毎日の食事に、オリゴ糖や食物繊維を意識的に摂り入れるようにしましょう。

水溶性食物繊維が豊富な食品:
・海藻類・なめこ・アボカド・長いも・おくらなど

【“ヤセ菌”をキープする】
腸を内側からケアしたら、今度は腸のまわりの筋肉を動かし、良い状態を「キープする」ことも大切です。腸は身体の中でほぼ固定されず浮いているような臓器で、加齢や筋力の低下、出産などで下がりやすくなります。また、便がとどまることでも、下がったり、むくんだりして腸の位置が偏ります。

腸の位置を戻すために、ウォーキングやストレッチなどで腸を支える腸腰筋や腸を保護する骨盤まわりの筋肉を動かしましょう。本来あるべき場所に腸を戻せば、ぜん動運動が正しく起こり、便秘も解消します。座りっぱなしは特に腸腰筋がゆるみ、腸の動きが鈍くなるので注意が必要です。

出典:「大腸劣化」対策委員会 予防と対策
ダイエットを効率化!食事制限、運動の前に「腸内環境改善」
ヤセ体質の決め手は大腸にあり!~話題のヤセ菌を増やす3つのメソッド~ (監修:小林暁子氏)

<小林メディカルクリニック東京院長 小林 暁子(こばやし あきこ)氏>

順天堂大学医学部卒業。順天堂大学総合診療科・女性専門外来での診療経験をもとに、便秘外来、内科、皮膚科、女性専門外来のクリニックを都内に開業。特に便秘外来は人気で、現在まで1万5000人を超える便秘に悩む患者の治療に当たっている。

出典:大正製薬株式会社

構成/こじへい

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