気になる燃費、乗り心地は?
ハイブリッドのパワーユニットだが、2.5Lエンジンが始動すると、うなり音が室内に入ってくる。とくに2000回転あたりでのアクセルオン・オフの音が、耳障りのある印象だった。このエンジンは、アクセルオフですぐに停止し、クルマはコースティング状態で走るが、アクセルオンですぐに始動する。制御が細かいのは素晴らしいことだが、エンジンからの音をもう少し抑えてほしいと思った。
燃費は、アクセルを踏む機会が多かったこともあり、12.0~15.0km/L。カタログ値の21.3km/L(WLTCモード)より大幅に下回ってしまった。パワーユニットに関しては2023年12月にプラグインハイブリッドモデルが発表されたので、いずれ試乗報告もできると思う。そこで比較してみたい。ちなみに、車両価格はハイブリッドが590万円、プラグインは765万円と発表されている。
乗り心地だが、試乗車のタイヤ/ホイールは、標準装備の235/45R21(ミシュラン「eプレマシイ」)を装着していた。オプションとして225/45R21もあるが、どちらもタイヤチェーンの装着はできないとカタログに表記されていた。余談だが、最低地上高が160mmと高いクルマで、スポーツという名称ではあるが、雪や凍結路を好んで走るユーザーは、サイズダウンのタイヤ/ホイールを別途、購入することになるだろう。
気になる乗り心地だが、低速域では路面からのゴツゴツ感があり、目地などを通るとドンッと乗り上げる堅さもある。しかも、高速域ではタイヤの影響か車体の横揺れとロールが気になった。ピシッとしていない印象だ。
横幅と全高が大きくなった室内だが、スポーツのリアシートは、着座がやや低めになり、身長170cmクラスはヘッドスペースが確保されている。床面中央のトンネルはやや高めで足は入らない。左右1名ずつが快適定員。乗り心地だが、若干ザラつきがシートに伝わってきた。もうひとつ残念なのは、リアドアウインドウを全開にしても、前方にわずかにウインドウが残ってしまうことだ。
リアシートの背もたれは4対6で前倒しできる。ラゲージスペースの床面とほぼフラットになるので、使い勝手はよかった。ラゲージスペースも横幅はほぼ1m以上、奥行きも1mに近いので、広く使える。「クラウン」の新しいラインナップに加わったスポーツSUVは、クロスオーバーより200mm以上短く(ホイールベースは80mm)、全長が扱いやすい。また、最低地上高も160mmあるので、1880mmの横幅が気にならない人にとっては、アクティブなマイカーとして楽しめるクルマになるだろう。新たに追加されたプラグイン・ハイブリッドの実力も早く試してみたい。
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文/石川真禧照 撮影/萩原文博