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『インポスター』や『インポスター症候群』という言葉を耳にしたことはないでしょうか。
どのような意味を持つ言葉なのか、気になっている人も多いでしょう。今回は、そんなインポスター症候群の概要や対処法を紹介します。
インポスター症候群とは?
『インポスター』は、詐欺師や偽者を意味する英語の名詞『imposter』を基にした言葉です。
■自己を過小評価してしまうこと
インポスター症候群とは、自分を過度に低く評価していて、自分の力を発揮したことで成功したとしても素直に受け入れられない状態を指します。
具体的には、「成功したのは偶然だ」「周囲のサポートを受けられたからに過ぎない」と考える傾向などです。
そのため、周囲から高い評価を受けたとしても、「いずれ自分の実力がそこまで高くないことが明らかになるのではないか」と不安に陥りがち。十分な成果を出しているのにもかかわらず、自分を正しく評価できずに悩むのが、インポスター症候群の特徴といえます。
■変化や失敗を必要以上に恐れる傾向
単純に成功した事実や周囲からの高い評価を受け入れられなくなるだけでなく、考えが保守的になるのもインポスター症候群の特徴です。
変化や失敗を過度に恐れるようになり、新しいことになかなか挑戦できなくなります。
同時に、周囲の目を必要以上に気にするようになる傾向もあります。「自分が行動することで、周囲の人間からの評価が変化するのではないか」「誰かに嫌われるのではないか」と考えるようになり、積極性を失いがちになるでしょう。
インポスター症候群に陥る原因
自己肯定感が低下し、インポスター症候群に陥る背後にはさまざまな原因があります。代表的な三つの原因を詳しく解説していきます。
■自己認識と周囲の評価に乖離がある
周囲から高い評価を受けているにもかかわらず自己評価が低いと、他者からの評価を受け入れにくくなり、インポスター症候群に陥りやすくなります。
一例として、客観的に見ると仕事で十分な成果を出していても、自分では不十分だと認識している場合が該当します。
周囲の評価と自己評価の間に乖離が発生する理由は、家庭環境やこれまでの経験などさまざまです。厳しい競争に直面していたケースや、過度に周囲の目を気にする傾向があった場合は自己評価が低下しやすく、インポスター症候群に陥りやすいと考えられています。
■褒められるのが苦手で不安を抱きやすい
他者から褒められるのが苦手な人も、インポスター症候群に陥りやすいとされています。
自分の出した成果を褒められたとしても、それを素直に受け入れられずに否定することもありがちです。
「成果を出したのは、自分の力ではなく周囲が協力してくれたおかげだ」「偶然成功しただけで、自分は大したことをしていない」と考えることもあります。特に完璧主義の人によくある傾向で、褒められたことでプレッシャーを感じて大きな不安を抱くようになります。
■他人の目を気にしすぎる
周囲の人からの評価を気にしすぎる人もインポスター症候群に陥りやすいため、注意が必要です。
過度に周囲からの評価を気にすると、失敗して評価が下がることを恐れて、挑戦をするのが難しくなります。
成功する可能性が高い挑戦だったとしても、周囲の人からねたまれるのではないかと考えて、アクションを起こしたくないと感じる場合もあります。
他人の目を気にすることが悪いというわけではありませんが、過度に気にすると精神面で大きな負担になるのは明らかです。
インポスター症候群が引き起こす問題
失敗を過度に恐れるようになるのも、インポスター症候群の特徴。従って、インポスター症候群に陥ると「新たな挑戦ができなくなる」という問題が発生します。
常に失敗するのではないかと考えて、新たなチャレンジをする意欲を失い、成長する機会を逃します。
新たなチャレンジをするに当たって、失敗するリスクを避けることは不可能です。そのため、インポスター症候群に陥っているとチャレンジしたいというやる気を出すのが難しくなります。
また、挑戦することを決断したとしても、万が一失敗した場合の逃げ道を用意するために、準備や調査をきちんと行なわないケースもあります。ビジネスにおいては常に成長と挑戦が求められるため、インポスター症候群からいち早く脱却する必要があるでしょう。