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新卒若手社員が感じている入社後のギャップ、3位成長環境やモチベーション、2位組織の特徴や社風、1位は?

2024.05.11

4月から新年度がスタートし、多くの企業が新卒入社者を迎える季節となった。昨今の新卒採用は売り手市場が続いており、企業の採用担当者は説明会や面接等、あらゆる機会で就活生に自社を理解してもらうための取り組みに工夫を凝らしている。

それでもなお、約8割が「リアリティ・ショック」と呼ばれる、入社前に抱いていたイメージとは異なる現実にショックを受けると言われている。

そこで「働きがい研究所」は、転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」のデータを活用した調査レポートとして「新卒若手社員の『入社後ギャップ』ランキング」を発表した。

本調査レポートは、OpenWorkに投稿された「入社後ギャップ」に関する社員クチコミを分析し、「入社後ギャップ」欄に寄せられたクチコミから、キーワードを分類して、カテゴリごとにランキング化したものだ。

最多は約6割の「仕事内容や配属について」

2021年以降に新卒入社した若手社員による「入社後ギャップ」欄に寄せられたクチコミを内容ごとにカテゴライズし集計した今回のランキングでは、「仕事内容や配属について」の関連ワードが6割近くの出現率で最多となった。

「配属ガチャ」「勤務地ガチャ」は、新卒若手社員の懸念として依然強くある。就活生を対象としたある調査(※1)によると、「入社前に配属される事業部門を選べない企業・求人」は53%が「入社意向が下がる」と回答しており、「入社前に勤務地がわからない企業・求人」については、62%が「入社意向が下がる」と回答している。

終身雇用制度が限界を迎え、自身で主体的にキャリアを形成していく必要性を強く感じている昨今の新卒若手社員は、会社都合で自身の描いたキャリアパスから大きく外れるような状況に置かれることを大きなリスクと捉えていることがクチコミから見て取れた。その裏返しとも言えるが、「社内異動のしやすさ」やジョブポスティング制度に言及するクチコミが多く見られた。

(※1)株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「2024年新卒採用大学生の就職活動に関する調査」

■「入社後ギャップ」欄に寄せられたクチコミ

●1位:仕事内容や配属について

「配属される領域によってキャリアパスが全く変わってくる。最近は領域間異動が活発になってきた印象。(営業、男性、情報サービス・リサーチ)」

「大企業なので配属リスクはあると思うが、採用面接から一貫した主張をしたり、臆せず自分の意見を言えるのならば(理由の筋が通っていれば)だいたいの希望は通る。新しくできたジョブポスティング制度もちゃんと機能しており、終業後に資格勉強など自己投資をして他の部門へ行く人もちらほらいる。(SE、男性、コンピュータ・通信機器・OA機器関連)」

「スピード感があるように思われるが、商品開発などのスピード感が早いだけで、部署によってはかなり遅く感じることもある。また、昇進に関してもゆったりしていて、やる気のある新卒には物足りない可能性が高い。実際そういう同期は転職する傾向にありました。(総合職、男性、食品・飲料)」

●2位:組織の特徴や社風について

「向上心が高い人ばかりかというとそうではなく、ホワイト企業、年功序列ゆえがつがつと働きたい人には少し不向きかもしれない。もちろん、自己研鑽にはげみ結果を出している人もおり、その人たちをとがめる様な空気ではないため結局は自分次第だと感じる。(営業、女性、化学・石油・ガラス・セラミック)」

「日系企業でありながらもビジネスの先進性や世界展開からグローバルなイメージを持っていた。実際に会社で働いてみると非常にドメスティックな体質で他の典定的な日系企業と実態は変わらないように感じた。飲み会なども多く、ノリも良くないと最初は辛いかもしれない。また社長のリーダーシップはあると思うが、裏を返せば常に激しいトップダウンであり、崇拝するような雰囲気もあり、合うか合わないかは人によると思われる。(営業、男性、通信・ISP・データセンター)」

「金融商品を扱う性質上、堅実で保守的な文化が強くあるので、新しいチャレンジは比較的やりづらい雰囲気がある。また配属される部署によってはそのカラーが異なる場合もあるので、そこも認識が必要である。(SE、男性、SIer・ソフト開発・システム運用)」

●3位:成長環境やモチベーションについて

「若いうちから修羅場を経験でき、かなり成長はできる。ただし、成長の仕方が自社のプラットフォーム上でのみ成立するもので、会社の仕組み、システムにかなり守られている印象。自分で1から始める場合は全く違う経験、スキル、能力が必要になることは押さえておきたい。(営業、男性、小売)」

「キャリアを築いていく上で、自身が磨いていきたい専門性やスキルアップ、経験年数は担保されているため入社前に抱いていたキャリアを築くことができており、入社前後でのギャップはなかった。認識しておくべきこととしては全体的に優しい人が多く厳しく指摘されることがほとんどないため、どれだけ主体性をもって業務に取り組めるかによって成長速度は異なる。自分に甘い場合そのツケは新人扱いされなくなった後に返ってきている印象。(研究開発、男性、医薬品・医療機器)」

「研修制度がしっかりとしており、情報のインプット量がとても多い。インプットした内容が直ぐにアウトプットとして活かせるものが多く、きちんと考えられた設計になっていると感じた。(営業、女性、情報サービス・リサーチ)」

配属やキャリアパスに関する懸念により、退職を検討する声も

「退職検討理由」欄に寄せられたクチコミを見てみると、今いる組織の中でキャリアプランを描きづらく、かつ社内異動がしづらいため、退職を検討するという声が見受けられた。

■「退職検討理由」欄に寄せられたクチコミ

「部署異動ができない。若手は最初の配属で全て決まると言っても過言ではなく、ジョブローテーションなど定期的に異動できる制度もない。異動希望を上長に伝えても、なかなか聞いてくれない。グループ公募制度など、自分で行きたい部署に応募できる制度もあるが、なかなか希望が通ることはない。(営業、女性、総合電機・家電・AV機器)」

「一つのプロジェクトに長く腰を据えながら、技術面を磨くことを希望として上げ続けたが、全くと言っていいほど考慮されない。社内で自ら手を挙げて異動する仕組みもあるが、若手には利用しづらく、自身のキャリアプラン形成に役立てることが難しい。また、プロジェクトリーダークラスになると、休日出勤や長時間残業は当然のように行われており、将来への不安を覚えるばかりになっている。(開発SE、男性、コンピュータ・通信機器・OA機器関連)」

「キャリアプランが描けなかったから。上司や課長を見ていると将来自分が同じような仕事をしたくないと思った。営業ではない部署に異動できる可能性はあるが、異動できたとしてもお給料がかなり下がる。(法職FC、女性、生命保険・損害保険)」

若手に安心して活躍し続けてもらうためには、個々のキャリアプランを尊重する姿勢と、それを実現する制度の整備が重要か

企業と個人の関係は、終身雇用制度を前提とした相互に拘束し合う関係から、お互いに選び選ばれる関係へと徐々に変化しつつある。それに伴って、組織に依存しない、主体的なキャリア形成に対する意識は世代を問わずますます高まっていくだろう。企業は、従業員それぞれの描くキャリアプランを尊重しながら、組織運営上適切な人員配置を考えていく必要がある。個々人の意志に対する傾聴の姿勢と、それをかなえる制度を整えておくことは、今後優秀な人材を雇用し続けたり、採用するうえで必要と言える。

<対象データ>
OpenWorkに2021年以降に投稿された、新卒入社した社員(新卒3年目以下)による「入社後ギャップ」に関する社員クチコミ33,964件を対象データとして使用。

出典:OpenWork働きがい研究所

構成/こじへい

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