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ロイヤルカナン財団が描くペットの健康とウェルビーイングの未来像

2024.05.17

ロイヤルカナン スペシャルインタビュー後編

ロイヤルカナン社はフランスを拠点とする世界的企業で、犬と猫の健康を支援している。毎年、科学的な知識を共有するために国際的な獣医学シンポジウムを主催し、最近開催されたモンペリエでのシンポジウムでは64カ国から550人以上の獣医療関係者が参加した。

ロイヤルカナンは社会的責任において、ペットや人の健康とウェルビーイングの向上を目的とした様々な取り組みを行っている。

1968年にロイヤルカナンを創設した獣医師ジャン カタリー博士と最初のフード開発のきっかけとなったジャーマンシェパードの像

「ロイヤルカナン財団」は、学術研究の支援、動物保護施設との協力、動物医療関係者の教育支援など、多岐にわたるプロジェクトを推進。これにより、ペットと人間の関係がより豊かなものになることを目指している。今回は、ロイヤルカナン財団の運営を担当しているアンヌ・ソフィ・トマ氏に世界中で展開するプロジェクトや今後の取り組みについて話を聞いた。

–まずロイヤルカナン財団の目的と設立の背景について教えてください。

「ロイヤルカナンは、「ペットのためのより良い世界」というパーパス(存在意義)を掲げています。なぜなら、ペットが私たちの生活をより良いものにしてくれると信じているからです。

ですから、私たちの信念を広く一般の方々と共有し、具体的なプロジェクトを通じて、ペットが社会全体、特に人間にとってどのような恩恵をもたらすかを示したいと考えました。

これが、202012月にロイヤルカナン財団を設立した理由です。社会におけるペットの役割と、ペットが私たちの健康と生活にもたらす多くの恩恵を強調するためです。

ロイヤルカナン財団は、ペットが人間の健康に役立つプロジェクトに資金を提供しています。

ロイヤルカナン財団の目的は、人間の健康と福祉におけるペットの役割を支援することであり、知識、才能、多様性、ステークホルダーとの関係強化への投資です」

アンヌ・ソフィ氏

――ロイヤルカナン財団の具体的な活動内容を教えてください。

「ロイヤルカナン財団は、主に四つのカテゴリーで活動しています。

捜索・救助犬の支援:震災時などの緊急事態で活躍する救命犬の育成などの支援を行います。

医療分野で人の健康に貢献するペットの支援:例えば、犬が持つ発達した嗅覚を利用して、人間の病気を嗅ぎ分ける研究をサポートします。 

人のメンタルヘルスをサポートするペットの支援:例えば、自閉症の人々にアニマルセラビーを行う犬や猫の支援を行います。 

エマージェンシーファンド:震災などの緊急事態に対応するための活動支援を行います。例えば、最近ではトルコの地震後の救命活動や、ウクライナでの救援活動などが挙げられます。

これらの活動を通じて、ロイヤルカナン財団はペットと人々の生活の向上を目指しています。

これまで過去3年間に12カ国で、15のプロジェクトを実施しました」

–印象的な取り組みを教えてください。

「フランスでの取り組みは、日本のメディアにも取り上げられました。

説明しますと、法的な手続きに関わる人々(例えば加害者や原告、裁判所関係者)が法的な制度の中で犬の同伴を受けられます。これにより人々の心が落ち着く効果を発揮できることが確認されています。特に、児童虐待を経験した子供たちが家庭裁判所に出廷する際、セラピー犬が同伴することで、非常に緊張感が和らぎ、心が落ち着く効果があることが確認できました。

また、猫が人間の健康をサポートするプロジェクトもあります。これはイタリアで実施されており、入院している子供たちが猫と触れ合うことで、心が落ち着く効果があります。このプロジェクトは毎週木曜日に実施されており、今も続いています」

プロジェクトの様子

プロジェクトの目的は明確にされており、通常は複数年にわたるプロジェクトです。各ステップを定義し、定期的に見直しとフォローアップが行われます。フランスの例では、セラピー犬の訓練費用が四ヶ月ごとに必要であり、その資金提供と訓練の様子が報告されます。最終的には、プロジェクトの最後にクロージングコールという最終報告会が行われます。

このようにして、プロジェクトは進行し、ロイヤルカナンのローカルチームや関連するNGOが密接に協力しているのです」

–今後取り組む予定の新しいプロジェクトについて教えてください。

「まず現在進行中の『フランスの聴覚支援犬プロジェクト』は、聴覚障害を持つ人々を支援するために訓練された犬が、環境内の音を知らせる役割を担います。たとえば、スマートフォンの着信音や通知音を聞き分け、聴覚障害のある人々にそれを知らせたり、朝起こすなどの役割も担います。 

次に、『アイルランドの自閉症支援犬プロジェクト』はアイルランドの学校で、自閉症を持つ学生の支援として、6頭の犬が活動しています。これらの犬は、学校生活を通じてより良い環境を提供する手助けとなります。自閉症を持つ子供たちは通常、自尊心が低く、非常に敏感です。犬がそばにいることで、子供たちはリラックスして突然の不安から逃れることができます。犬が近くにいることで、子供たちは抱擁などから安心感を得られるのです。

これらのプロジェクトは、犬や猫が人間の生活に素晴らしい影響を与えることを示しており、財団はこれらの学びを通じてさまざまな形で影響を与えています」

ロイヤルカナンは同財団のプロジェクトを通じて、ペットと人間との関係がさらに深まることを願っている。ペットの健康とウェルビーングを守ることは、結果的に人々の生活の質の向上にもつながるため、ロイヤルカナンの「パーパス経営」の一環として重要な役割を果たしている。

取材・文/Inoue.x.

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