レンズに様々な情報を表示するAR(拡張現実)グラスに、KDDI 『au Smart Glasses』が加わった。『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクシリーズや『機動戦士ガンダムUC』などを手掛けたアニメ作家の福井晴敏さんがその実力を判定した。
アニメ作家
福井晴敏さん
1998年に『Twelve Y. O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞。2000年には『亡国のイージス』で数々の賞に輝いた。アニメ作家として『機動戦士ガンダムUC』など、多くの作品に関わっている。
2024年7月19日公開
映画『ヤマトよ永遠(とわ)に REBEL(リベル)3199』
構想5年。福井さんが総監督、シリーズ構成、脚本を担い、全7章立ての『宇宙戦艦ヤマト』リメイクシリーズの最新作。この夏、「第一章 黒の侵略」が公開される。
福井晴敏さんが実機を丸ごとチェック
スマートグラスの最新モデル『au Smart Glasses』が登場した。この画期的な製品のインプレッションを、作家であり、アニメ作品の脚本なども手がける福井晴敏さんがふたつ返事で引き受けてくれた。福井さんは、7月19日に公開される『ヤマトよ永遠に REBEL3199』の総監督も務める。プロの視点で、『au Smart Glasses』の映像やサウンド、使いやすさまで丸ごとインプレッションしてもらった。
「まずは外観と装着感からいきましょう。一見普通のサングラスですが、レンズの外側のシェープにボリュームがあり、近未来を感じますね。接続ケーブルが1本で、使用中に邪魔になることもなく、何より軽いですね。鼻あてにエアシリコンのノーズパッドが付いているため、通勤中に使い続けても負荷を感じることはないと思います」
映像とサウンドは、福井さん自身が脚本を担当した『宇宙戦艦ヤマト2202』と『ゴジラVSコング』で確認いただいた。
「昔は小さい画面を無理やり拡大した感じでしたが、そんな違和感は全くなく、テレビのモニターで見ているのとほぼ変わりません。色の再現性もいいですね。4Kに慣れていますが、フルHDでも全然問題ないです」
視聴について、2つの気がかりがあるという。
「ARを使っているので、目の前にある風景などが透けて見えるのは気になりましたね。一番暗くしても透け感が残り、没入感が得にくい印象です。外出中に周りのものが完全にシャットアウトされると怖いので、それとのトレードオフと考えれば仕方がないかもしれませんが……。もう一点は、本体を鼻メガネのように少し下にズラさないと、画面の下半分が見えないこと。3段階の調整があり、使ううちに慣れるとは思いますが」
続いてはサウンド面の評価。『音声はつるに内蔵する逆音波システムと指向性スピーカーによって再生される。
「音質はよく、臨場感や没入感があります。オープン型なので音漏れは結構ありますね。電車や飛行機で使う場合は、周囲の反応にモヤモヤしそうです」