『名探偵コナン』で描かれる実在の歴史や地理にちなんだ舞台&トリック4選
【1】94~95巻 京都の難読地名と養源院の血天井
コナンは解毒薬を使って新一に戻り、蘭たちと帝丹高校の修学旅行へ。京都では清水寺はもちろん、伏見城の血で染まった床板を使用している養源院の血天井などの歴史的名所を巡る。そんな新一たちが宿泊しているホテルで殺人事件が発生。犯人は血天井を模倣し、天狗の仕業に見せるトリックを使っていた。なお、京都の店先や路地で見かける独特な犬よけの「犬矢来」が登場し、そこでも殺人事件が起こる。京都の町では、方角が入った難読地名を用いて暗号を解く場面も。京都の歴史と魅力を詰め込んだエピソードになっている。
【2】31~32巻 大阪城や豊臣秀吉にまつわる逸話
服部がコナンたちを大阪で観光案内している最中、大阪城で観光ツアーをしていたグループのひとりが焼死体で見つかる。その事件には、天下人・豊臣秀吉が遺した金色の馬印「千成瓢箪」にまつわる財宝が関わっているらしい……。〝秀吉好き〟にはおすすめのエピソードだ。雨に濡れる竜と虎の姿が現れるという大阪城の桜門両脇に置かれた〝竜虎石〟をはじめ、ストーリーの中には大阪城に関係する逸話も盛り込まれており、大阪城を巡っているような観光気分も味わえる。
【3】71~72巻 ロンドンの市街地にある観光名所
英国人大富豪から招待されて、コナン、蘭、小五郎、阿笠博士はロンドン旅行へ出発。現地に到着すると、コナン(新一)にとっては憧れの存在であるシャーロック・ホームズのゆかりの地を巡っている中、凶悪犯による大量殺人予告事件に巻き込まれてしまう。ウィンザー城を望める巨大観覧車ロンドン・アイや、ウェストミンスター宮殿の時計台ビッグベンなど、現地の人気スポットが多数登場。ロンドン市街地のマップを使った謎解きもある。新一の告白シーンも含めて必見だ。
【4】86~87巻 川中島で繰り広げられた戦術
服部に誘われて群馬県を訪れていたコナンたちは〝鎌鼬(かまいたち)事件〟を解決後に立ち寄った長野県で、長野県警の警部が殺害された事件に遭遇。真相の解明に挑む。物語では、川中島古戦場や山本勘助の胴合橋など武田信玄と上杉謙信のゆかりの場所が多数登場。「啄木鳥」や「毘沙門天」といったキーワードが事件に絡む。風景の描写が緻密なので、聖地巡礼の参考にもピッタリだ。ちなみに長野県警には「コウメイ」と呼ばれる、軍師・諸葛亮孔明のような警部もいる。
材・文/久村竜二