声優 竹達彩奈さんが語る「名探偵コナン」からもらった心の栄養

各キャラの視点に立って何度も読み返す

　最近でも原作を1巻から読み返すことがあるという。

「何回も読み返すたびに各キャラクターの視点に立って読むのが、おもしろいんです。読めば読むほど、以前はそうでもなかったキャラクターが好きになるし、その分、自分自身で想像できることが増えたように感じます。声優はキャラクターを掘り下げていくことも仕事のひとつですから、見えないところを想像して広げていく力を養えているのかなと思いますね」

　登場人物の立ち居振る舞いから影響を受けることも多いそうだ。

「日常生活では、うまくいかないことが続くと『何かもういいや』って、すさんでしまうこともあるじゃないですか。でも、コナンくんや蘭ちゃんの純粋さや正義感に触れると心が洗われる気がして。人にどう接するべきで、どのようにやさしくあるべきなのか、考えさせられます。旅行の代金をお金持ちの園子に出してもらうのはダメって拒否する、蘭ちゃんのセリフにもハッとしました」

「お金で買えない友情」（39巻）で描かれた回想シーンだ。

「一生親友でいたいから絶対に自分で払うという蘭ちゃんの決意を見て、それはとても大事なことだと気づかされました。『名探偵コナン』からは、心の栄養みたいなものをいっぱいもらっています。そんなすてきな作品だからこそ、いつか新しいキャラクターとして、出演できたらいいなって。過去にOVAで赤ちゃんの声を演じさせていただいたことがありますけど、またご縁に恵まれることを願いつつ、精進したいと思います」

灰原哀は「（阿笠博士は）もうこの世には、いないんだもの…」とコナンを脅すものの、それは真っ赤なウソだったという話。竹達さんが演技の練習に使っていたセリフのひとつ。／18巻

〈MY FAVORITE CONAN GOODS〉とにかく哀ちゃんがかわいくて買いました！

「実用性のあるペンやメモを購入することが多いけど、これは使うのがもったいなくて未使用です（笑）。一番のお気に入りは哀ちゃんとコナンくんが描かれたTシャツで、汚れるのが怖くて着れてません」（竹達さん）

3つのQuestion

Q『名探偵コナン』のキャラクターで親友になりたいのは誰？

吉田歩美

友達になったらすごく楽しそうだし、癒されそう！　真っすぐな性格で、少年探偵団や哀ちゃんのためにがんばる一生懸命さに惹かれます。絶対に裏切らなさそうだし、ずっと好きでいてくれそう。「哀ちゃん」って呼びたくて、モジモジしちゃうシーンもすごく好きです！

Q『名探偵コナン』の単行本で一番好きなのは何巻？

18巻

やっぱり、哀ちゃんの初登場した巻。ここでまたストーリーが大きく動きましたよね。このタイミングで、初期に亡くなった黒ずくめの組織の仲間の女性の妹が登場するということに、衝撃を受けましたね。ちなみに19巻での伏線回収にもビックリして、2巻の話を読み返しました！

Q  阿笠博士の発明品で一番欲しいものは？

探偵バッジ

娘がもうちょっと大きくなったら持たせたいですね。幼稚園や学校に行く時、心配になりそうで。必要な時には会話もできるのが便利だと思います。あとは蝶ネクタイ型変声機も気になりますけど、声優としては持たないほうがいいかも。悪用しちゃうかもしれませんからね。

取材・文／宇野なおみ　撮影／関口佳代　スタイリング／hana　ヘアメイク／you

DIME6月号は読みごたえたっぷりの「名探偵コナン」50ページ大特集

DIME6月号は今年連載30周年を迎えた「名探偵コナン」を約50ページにわたって大特集！　全世界累計部数は2.7億冊を突破、昨年公開の映画『名探偵コナン黒鉄の魚影（サブマリン）』は初めて興収100億を突破するなど進化を続ける超人気作品の魅力を徹底取材！

連載30年の歩み、愛され続ける理由、コナン沼にハマった著名人インタビュー、担当編集が明かす制作の舞台裏、コナンで身につくビジネススキルなどあらゆる角度からコナンの魅力を紐解きます。