リエゾンという言葉が使われている業種
ビジネスシーン以外でも、リエゾンという言葉を使用している業種があります。医療と災害対策において、リエゾンが持っている役割について解説します。
■医療
医療においてのリエゾンは、『リエゾン精神医療』として使われています。リエゾン精神医療とは、患者の精神と体の健康を統合的にケアするために、多職種の人々がチームとして協力して患者の治療を行なうことです。
具体的には、医師・精神看護専門看護師・薬剤師・ソーシャルワーカーなどがチームに含まれます。精神看護専門看護師はリエゾンナースともいい、看護ケアのために他診療科の看護師と連携します。
患者だけでなく看護師のメンタルヘルスを支援するのも、リエゾンナースの仕事です。看護ケアの質を維持するために、看護師のストレスをサポートしています。
■災害対策
災害が発生した自治体や、今後災害が発生する可能性がある自治体に派遣される職員を、『リエゾン職員』といいます。災害発生時には、リエゾン職員が重要な役割を果たします。
リエゾン職員の主な任務は、災害対策本部と被災自治体の情報共有です。通行止めや土砂災害などの災害情報を収集し、被災自治体に伝えます。
被災自治体で必要とされている機材や、生活必需品などの需要を把握する役割もあります。各所とコミュニケーションを取り、必要な物資が適切に配分されるように尽力するのが主な役目です。
リエゾンの意味を正しく理解しよう
近年は企業活動において、外部組織との連携や調整を行なう、リエゾン人材が重要視されています。リエゾンという言葉には、フランス語や英語などで、発音しやすいように単語の終わりと始まりの音がつながって起こる変化や、連携・橋渡し・連絡の意味があります。
軍隊間や連隊間の橋渡しを行なうリエゾンオフィサーに由来して、ビジネスでも組織同士の連携や調整を行なう役割を、リエゾンと呼ぶようになりました。
リエゾンの意味や由来を理解しておけば、ビジネスに重要なリエゾン人材やリエゾン精神医療、災害対策におけるリエゾン職員などの役割を把握しやすくなるでしょう。
構成/編集部