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ビジネスシーンで注目されている「リエゾン人材」とは?

2024.06.04

近年のビジネスシーンでは、リエゾン人材を必要とする場面が増えていますが、リエゾンとはどういう意味の単語なのでしょうか?

リエゾンの本来の意味から、派生する言葉・リエゾン人材の由来をひも解いていきます。リエゾン人材の特徴をあわせてチェックしていきましょう。

ビジネスにおけるリエゾンとは?

ビジネスにおけるリエゾン人材には、組織内外の橋渡し役としての役割があります。まずは、リエゾンという言葉の本来の意味や、リエゾン人材の由来について理解しておきましょう。

■リエゾンの本来の意味

『リエゾン』の本来の意味は、フランス語や英語などで母音が連続する場合、発音しやすいように音がつながって起こる変化を指します。

発音が子音で終わる英単語と母音で始まる英単語が並んだ際、二つの単語を連結させて発音する現象です。例えば、『jump in』は『ジャンプイン』ではなく、pとiをつなげて『ジャンピン』と発音します。

リエゾンを理解し適切に使うと、スムーズで自然な発音になるため、リスニングやスピーキングの上達につながります。

上記のほか、リエゾンには『連携・橋渡し・連絡』の意味もあり、組織内外の連絡や協調を表すときにも使用されます。リエゾン人材はこのような意味から派生した言葉です。

■リエゾン人材は軍隊の連絡将校が由来

リエゾン人材の概念は、軍隊の『連絡将校』という下士官が由来です。連絡将校は『リエゾンオフィサー』ともいわれ、軍隊間や連隊間を仲介する役割を務めています。

このリエゾンオフィサーから派生し、ビジネスシーンでもリエゾン人材という言葉が使われるようになりました。組織内や異なる組織間のコミュニケーションを促進する役割をリエゾン、その役割を担う人材をリエゾン人材といいます。

リエゾン人材の特徴と必要性

手帳を手に微笑む会社員

(出典) pixta.jp

リエゾン人材を効果的に機能させるためには、特徴と必要性について知っておくことが大切です。連絡係・調整係とリエゾンの違い、求められるスキル、リエゾン人材は組織にとってなぜ必要なのかについて、理解しておきましょう。

■リエゾン人材の特徴

リエゾン人材は連絡係や調整係と混同されやすい存在ですが、役割が異なる点に注意しましょう。

連絡係は主に、関係部署や関係者へ決定事項の伝達を担います。調整係は、複数の意見を全員が納得・妥協できるように調整するのが役割です。

リエゾン人材は連絡係や調整係の役割に加えて、組織内外の橋渡しを行ない、協力関係の構築を支援する重要な働きも担っています。

■リエゾン人材に必要なスキル

連絡・調整・協力関係の構築を担うリエゾン人材に求められるスキルは、多岐にわたります。以下のようなスキルを総合することで、リエゾン人材は効果的に機能します。

  • 傾聴力:相手の意見を引き出して理解し、真摯に対応する
  • コミュニケーションスキル:相手との信頼関係を築く
  • 論理的思考力:異なる意見を調整し、相手に理解しやすく説明する
  • 交渉力:全員が納得・妥協できるように意見をまとめる
  • リーダーシップ:異なる部署や組織の人々をまとめる

リエゾン人材には、組織同士の協力関係を強化して意見をまとめ、プロジェクトを成功に導く、総合的なスキルが求められるのです。

■リエゾン人材の必要性

近年は顧客のニーズが多様化し、企業を取り巻く経済環境が複雑化しています。事業戦略として他部署や他企業、異業種など、外部組織との連携が注目されていることから、リエゾン人材が重要視されています。

ビジネスのグローバル化を目指す際に、海外の企業とやりとりする場合も、リエゾン人材が必要です。リエゾン人材は、国境を越えた組織間のコミュニケーションをスムーズにし、連携や協調を実現する役割も担っています。

さらに、CSRといわれる企業の社会的責任を果たす活動や、持続可能な開発目標を意味するSDGsに取り組む場合も、外部組織や地域などとの連携が求められます。この際も、リエゾン人材による橋渡しが必要です。

このように、リエゾン人材は企業や組織の目標達成において重要な役割を果たすため、必要性が高まっています。

リエゾン人材の育成方法

名刺交換

(出典) pixta.jp

ビジネスにおいて重要な役割を果たすリエゾン人材は、どのように育成すればよいのでしょうか。リエゾン人材にとって必要なスキルを習得する方法や、スキルの磨き方について解説します。

■必要なスキルを身に付けてもらう

リエゾン人材に必要なスキルは多岐にわたるため、従業員自身がスキル向上に積極的に取り組む必要があります。

まずは、育成する従業員に対し、ポジティブなマインドセットを行ない、意欲的に取り組める環境を整えましょう。その上で、従業員に対して適切なトレーニングや支援を提供します。

リエゾン人材として育成する従業員の意欲向上と、組織的なサポート体制を整えた上で、傾聴力・コミュニケーションスキル・論理的思考力・交渉力・リーダーシップなどのスキルを身に付けてもらいましょう。

■他部署との交流や意見交換を行なう

リエゾン人材には他部署や他企業など、自部署以外の組織ともスムーズに連携できるスキルが求められます。そのため、まずは他部署との交流や、意見交換の機会を積極的に設けましょう。

部署の壁を越えてコミュニケーションを取り、意見交換や連携をスムーズにできるようにします。自部署内だけでは得られない視点や情報を共有し、組織間の理解を深めることで、組織全体の一体感が高まります。

リエゾン人材が組織内外の橋渡し役として活躍するために、交流の機会を設け、自部署以外のメンバーとのコミュニケーションに慣れてもらいましょう。

■異業種交流会に参加する

リエゾン人材の育成方法として、異業種交流会への参加も有効です。まず、さまざまな業界の人々との交流を通じて、コミュニケーションスキルが向上します。

異なる業種の参加者と意見交換を行い、自社や普段関わっている業界以外の意見、価値観に触れることで、リエゾン人材の視野が広がります。異業種交流会は刺激を受ける場でもあるため、新しいアイデアや改善点の発見にもつながるでしょう。

異業種交流会で得た気付きを組織内で共有するのも、リエゾン人材の役割です。

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