「旅館・ホテル」の直近の景況感、6割の企業で『良い』と捉える
2024年3月のTDB景気動向調査では、「旅館・ホテル」の60.0%の企業で景況感を『良い[1]』と捉えていた。他方、『悪い[2]』とする企業は16.7%にとどまった。特に3月は春休みシーズンを迎えるなか、企業からは「海外を含め国内のお客さまも多い」「ようやくコロナ前の売り上げ水準に戻ってきた」というように、明るい声が寄せられている。
また、コロナ禍で低下していた設備稼働率についても、2022年4月以降は『上昇[3]』と捉える企業の割合が『低下[4]』を逆転し、直近の2024年3月は59.7%となった。観光・レジャー需要ほか、出張需要の復活なども好材料となっていよう。
ただし、深刻化する人手不足への対応や、食材をはじめアメニティ、リネン関連費用、冷暖房費などの高止まりなどは企業収益を圧迫する要因となっており、宿泊料金の値上げは続くと見込まれる。その結果、国内のリベンジ消費が一巡する方向にあるなかで、消費者の宿泊離れを回避するために各社は独自性や希少性、高級感などの対応を迫られることとなり、生き残りをかけ優勝劣敗が顕著となっていくと予想される。
<注記>
1. TDB景気動向調査において、現在の景気について「非常に良い」「良い」「やや良い」のいずれかを回答した企業の割合
2. 同調査において、現在の景気について「非常に悪い」「悪い」「やや悪い」のいずれかを回答した企業の割合
3. 同調査において、対前年同月の設備稼働率について「非常に上昇した」「上昇した」「やや上昇した」のいずれかを回答した企業の割合
4. 同調査において、対前年同月の設備稼働率について「非常に低下した」「低下した」「やや低下した」のいずれかを回答した企業の割合
<調査概要>
※調査期間:2024年3月31日まで
※調査機関:株式会社帝国データバンク
※本調査は景気動向オンラインおよびTDB REPORT ONLINEに掲載
<TDB REPORT ONLINE> 各種企業の膨大な情報をもとに、業界の動向や注目ビジネスを網羅した経営情報サイト
出典:株式会社帝国データバンク
構成/こじへい