子供から大人まで世代を超えて愛される『名探偵コナン』は、いかにしてビッグコンテンツに成長してきたのか。連載開始30年の歩みを振り返りながら、大人こそ見るべき理由をホイチョイ・プロダクションズの馬場康夫氏に解説してもらった。
30年の歩みをプレイバック!
コナン作品最大の魅力は「王道」にあり……!
誕生30年にして、なお愛され続ける『名探偵コナン』。「子供向けと侮るなかれ。コナンこそ、大人が楽しむべきコンテンツです」と語るのは、多数のヒット企画を手がけるホイチョイ・プロダクションズの馬場康夫さんだ。そんな彼に、コナン作品の魅力を聞いた。
「まず、〝王道〟の使い方が見事。例えば、ヒロインの毛利蘭は主人公コナンの正体が工藤新一だと知りませんが、この変則三角関係は、スーパーマンにも採用された黄金パターン。こうした王道の魅力が随所に織り込まれています」
普遍的なおもしろさのある物語は、子供から大人まで、年齢・性別を問わず多くのファンを取り込む。
「少年誌の作品ですが、2016年の安室透の登場以降、女性ファンも増えた印象です。先日も20代の女性たちとコナンの話で盛り上がり、『世代を超えたコミュニケーションツールだな』と感じました」
青山剛昌さんによる魅力的な物語もさることながら、劇場版の豪華スタッフ陣にも注目だ。
「アニメ放送開始以来、シリーズの楽曲の多数を『太陽にほえろ!』の作曲家・大野克夫さんが手がけ、22年からは『ガリレオ』の菅野祐悟さんが劇場版を担当。脚本には『相棒』の櫻井武晴さんやミステリー作家の大倉崇裕さんらが参加し、内容はミステリーとしても本格的です。むしろ大人が楽しめない理由が見当たりません。これから観るなら、『神5』と呼ぶ初期5作品、『時計じかけの摩天楼』『瞳の中の暗殺者』『天国へのカウントダウン』『ベイカー街(ストリート)の亡霊』『迷宮の十字路(クロスロード)』がおすすめです」
30年を機に魅力を再発掘したい。
ビジネスパーソンこそ見るべき理由!
【1】〝王道〟を存分に楽しめる
【2】世代を超えて話のネタになる
【3】本格ミステリーを堪能できる
【4】劇場版の音楽・脚本が豪華!
年表作成/内野智子 取材・文/藤村はるな
※2020年は新型コロナウイルスの影響で公開延期となり、2021年4月に公開された。