ノートPCを折りたたんで〝持ち運ぶ〟意義はあるのか
ThinkPad X1 Fold 16がノートPCである以上、携帯性は大切な指標となります。本体サイズは、折りたたんだ状態で、約276.2×176.2×17.4mm。折りたたみという性質上、どうしても厚みはでますが、縦横の長さはB5サイズ程度に収まります。
大画面ノートPCながら、ビジネスバッグだけでなく、トートバッグなどにも収まるサイズ感は魅力です。
折りたたみのヒンジ部分も安定感があり、今のところ故障の不安はありません。折りたたんだ際には隙間ができないようになっているため、ごみが侵入し、ディスプレイに傷がつく心配が少ないのも大事なポイントです。
一方、気になるのは質量。本体だけだと約1.26kg~ですが、キーボード+スタンドが627g、本体と合計で2kg弱になるため、持ち運ぶのは少々大変です。
折りたたんだディスプレイに隙間がないため、キーボードを挟んで携帯できないので、荷物が増えるのも難点。本体の堅牢性や、キーボードの打鍵感を担保するためと考えれば仕方ない部分ではありますが、持ち運べるサイズになるノートPCと考えると、もう少し軽く、携帯しやすくなってほしいと感じます。
柔軟な使用スタイルを考えた設計に感服
インターフェースは、USB4(Thunderbolt 4対応)×2、USB Type-C 3.2 Gen 2×1。平たくいうと、USB-Cポートが3つ搭載されています。
USB-Cポートは一か所にまとまっているのではなく、3辺に分散されています。そのため、縦置き、横置き、半折りと、どの状態で使用しても、2ポートにはアクセスできるようになっています。
HDMIポートやUSB-Aポートなどはないため、拡張性に優れているとはいえませんが、充電ケーブル以外にも、USBハブなどを接続できる余裕があるので、不便に感じるシーンはあまりありませんでした。
また、本体の置き方を自動で検知し、どのスタイルでもステレオ再生ができるのも、細やかながら優秀なポイント。インターフェースやスピーカーの仕様など、折りたたみデバイスならではの工夫が見られ、好印象です。
搭載CPUは第12世代インテルのCore i5、Core i7のどいずれか。発表自体は2022年のモデルということもあり、最新世代のCPUではありませんが、高画質な動画編集を大量にこなす、そんな極端に重い作業でなければ、快適に動作します。
そのほか、メモリは8GB、16GB、32GBの3サイズ、ストレージも256GB、512GB、1TBの3サイズとなります。バッテリーも最大約14.7時間と必要十分。オプションで5G通信にも対応できます。
万人受けするPCではないが未来を感じさせるThinkPad X1 Fold 16
16.3インチディスプレイを折りたたみ、携帯性を高めたノートPCとして登場したThinkPad X1 Fold 16。画面サイズが大きいことで、多数のアプリを起動しても見やすく、動画視聴の迫力が出るといった恩恵があるのはもちろん、コンパクトなサイズで大画面PCを持ち運べる新しさが魅力です。
本体の重さ、キーボードを別途持ち運ぶ必要があるといった、洗練されきっていない部分も若干感じますが、新しいデバイスとしての魅力は存分に感じられる、ガジェット好きにはたまらない1台。50万円弱という販売価格がネックにはなりますが、新時代のノートPCとして、注目の製品であることに間違いはありません。
取材・文/佐藤文彦