Galaxy Zシリーズを代表として、スマホは〝フォルダブル〟と呼ばれる、ディスプレイを折りたたんで使用できる端末が徐々に登場しています。
そんな中、ディスプレイを折りたたむ流れはPCにも流入しています。そこで、16.3インチディスプレイを折りたたんで持ち運べる、レノボの「ThinkPad X1 Fold 16」を実際に試しながら、使用感をチェックしてみました。
ちなみに、ThinkPad X1 Fold 16は、2022年10月に日本発売を発表していたものの、出荷の開始は2023年末。時間をおいて、ようやくユーザーが購入できるようになっています。
公式サイトでの販売価格は48万9225円。これまでのノートPCとはひと味違うデザイン、操作性ということもあり、決して安価とはいえない価格ですが、「価格に見合う創造性は得られるのか」という観点も踏まえ、じっくりと確認したのでご覧下さい。
開けば16.3インチディスプレイに! 大画面ノートPCの実用性に迫る
ThinkPad X1 Fold 16は、開いた状態でのディスプレイサイズが16.3インチ。ノートPCとして〝特大サイズ〟ではありませんが、持ち運びはコンパクトに、使うシーンでは大画面でという考えの製品です。
購入時には、ディスプレイを立てかけるスタンドとワイヤレスキーボード、専用タッチペンが付属するので、屋外で使用する場合は、本体を開き、スタンドにディスプレイを立てるか、ディスプレイを90度前後に折り、10型程度のノートPCとして使うことになります。
本体をスタンドに立てかける方向は、縦、横のどちらでもOKなので、机の広さや、作業内容によって切り替えられます。縦に設置した場合は、少し角度を付けて画面を見やすくするといった工夫もできます。
気になる折り目部分も、完全に開いた状態では、ほぼ気になりません。解像度は2.5Kと高く、発色の良い有機EL素材なので、視認性は抜群です。
半折りの状態では、ディスプレイの下側にワイヤレスキーボードを乗せて使うことも可能。本体とキーボードは磁石でくっつくので、タイピング中にずれることもありませんでした。机がなく、膝の上にPCを置いて作業する場合などは、このスタイルが適しているようです。
キーボードの打鍵感が人気の理由でもある通常のThinkPadシリーズに比べ、標準搭載のワイヤレスキーボードは、操作性がまったく同じとはいわないまでも、タイプカバーキーボードにありがちな、キーを打ち込む際にたわんでしまうといった使いにくさがなく、個人的にはかなり気に入っています。
大画面ノートPCではありますが、サイズ以外はある意味〝普通の〟Windows PCなので、操作に迷うことはありません。2つ以上のアプリを起動しても、それぞれが大きく表示できるので、ノートPCながら効率よく作業ができるのが最大の魅力です。