髪に関する納得できないルールや伝統がある場合、競技人口の減少に「影響がある」と回答した部活生は35.6%、先生は24.0%と10%以上の差に
髪に関する納得できないルールや伝統が、競技人口に「影響がある」「どちらかといえば影響がある」の回答は、部活生73.6%、先生72.0%と小差となった。
一方、競技人口の減少への影響に対する実感度合いには差があり、「影響があると思う」と回答した部活生は35.6%だが、先生は24.0%と部活生の人が10%以上高いのに対し、「どちらかといえば影響があると思う」と回答したのは、部活生38.0%、先生48.0%と先生が10%高くなっていた。
入部した部活動に「納得できない髪に関するルールや伝統」があった場合、「やる気が下がる」は半数近くで、3人に1人の部活生が部活を離れることを検討
入部した部活動に納得できない髪に関するルールや伝統があった場合、どのような気持ちの変化があるか聞いたところ、部活生の46.2%が「やる気が下がる」と回答し最も多い結果に。次に「辞めるか別の部活動への入部を検討する」が30.6%と続いた。ルール等が理由で当初やりたいと思っていた部活動を辞めてしまう可能性は、決して少なくない数値となっていた。
部活動の髪に関するルールや伝統があることで制限されたことは?
「部活動の髪に関するルールや伝統があることで、制限されたこと、諦めたことの具体的なエピソード」について自由回答形式で聞いたところ、以下のようなコメントが寄せられた。
・野球部が暗黙のルールで坊主にするため、野球部への入部を諦めた。
・男子バスケットボール部に所属していた時、校則ではロングヘアがOKだったが顧問にロングヘアにす
るなら部活をやめろと言われ、そこから全くやる気が出なくなり部活をやめた。
・黒髪でない場合、出場する際に地毛かどうかをしつこく聞かれて証明できないと、高体連の大会に出場
できず失格になる。
・全員同じ髪型にしている部活の生徒が、学年が上がるごとに自分の考えを持たなくなっていった。見て
いても辛く、その部活を応援する気がなくなるなと思った。
・元々の髪色がすこし茶色がかかっているだけで黒染めを強要されたことで、競技そのものに関するモチ
ベーションを失い、結局競技をやめてしまった。
・ツーブロックにした後輩が、部活に来るなと言われて練習できなかったこと
・野球部が坊主だったとき、坊主が嫌だから野球部に入らないと言っていた生徒がかなりいた。坊主が強
制でなくなったから、初めて甲子園に出場することができた。
・卒業式でのヘアアレンジ
・体育大会での髪への装飾禁止
「自分自身で納得のできる髪や身だしなみルールの自由化」が、「部活参加意欲アップや競技等のパフォーマンスアップに繋がる」と回答した人の割合
「自分自身で納得のできる髪や身だしなみルールの自由化」は、「部活参加意欲アップや競技等のパフォーマンスアップに繋がる」と回答したのは、部活生87.0%、先生63.0%で25%の差があった。さらに、「とてもそう思う」の回答については、30%以上の大差で部活生と先生の間に大きな意識差があることがわかる。部活生は、現在プレーをする立場だからこそ、より実感しているのかもしれない。
自分らしいスタイルでプレーをしている選手に対し「とてもいいと思う」と回答したのは、部活生66.9%、先生23.5%と43.4%の大きな意識差
髪型などのルールに縛られず、自分らしいスタイルでプレーをしている選手に対し、「とてもいいと思う」との回答は、部活生66.9%、先生23.5%と43.4%の大差になっている。そして「いいと思う」と回答した先生は58.5%と、かなり高くなっていた。部活生は自分らしいスタイルでプレーをする選手に共感や憧れを強く持つことが推察され、共感の強さでは先生と差があるようだ。
<実態調査概要>
【部活動の髪型ルールに関する部活生と先生の意識調査】
・調査地域 :全国
・対象者 :部活動に所属している高校生 1,000名/部活動の顧問を務めている高校教員200名
・調査手法 :インターネット調査
・実査時期 :2024年3月
出典:株式会社マンダム
構成/こじへい