カレンダーシェアアプリ「TimeTree」を運営するTimeTreeは、同アプリに蓄積されたユーザーデータから未来の兆しを読み取り、発信する社内研究所『TimeTree未来総合研究所』を設立。
設立後最初の調査レポートとして、5月の予定動向をまとめた「未来データレポート」の5月版を公開したので、本稿ではその概要をお伝えする。
直近3年で「休暇予定」登録者の割合は増加傾向
「休み」「有給」「休暇」といった予定キーワードを中心に、TimeTreeで登録される予定の中でも多くの割合を占める「休暇予定」。
2022年5月の「休暇予定」登録者の割合を100として、2023年と2024年の「休暇予定」登録者の割合を算出すると、直近3年の「休暇予定」登録者の割合は増加傾向にあることがわかった。
■海外旅行予定は大幅増加。沖縄・北海道への旅行は近場の海外旅行にシフトか
続いて「休暇予定」と関連性の高い「旅行」の予定を分析したところ、「海外の地名」「海外の地名+旅行」などのキーワードで登録された「海外旅行」の予定数は2023年比161%と大幅に増加する結果となった。
登録予定数が最も多かった旅行先は「韓国(前年比149%)」で、次に多かった「台湾(前年比379%)」と合わせた予定数は、今回の調査で抽出した海外旅行関連予定の78%を占め、近場の海外旅行先の人気が目立つ。
一方、「日本の地名」「日本の地名+旅行」などのキーワードで登録された「国内旅行」の登録予定数は2023年に比べて103%とほぼ横ばいとなった。
都道府県別に予定数が多かった行き先を見てみると、1位「東京(前年比97%)」、2位「大阪(前年比95%)」、3位「沖縄(前年比74%)」、4位「北海道(前年比73%)」、5位「福岡(前年比106%)」という順になっている。
沖縄や北海道など、飛行機で行くことが多い国内への旅行は近場の海外への旅行に置き換わっていることが推察できる。
調査結果まとめ
TimeTree未来総研所長 深川泰斗 氏
「未来データレポート」では翌月1か月間の予定データを分析して、この先の兆し・トレンドをお伝えすることを目的にしています。
5月の予定動向について、2022年、2023年、2024年のデータを比較してまとめた今回のレポートからは、「休暇」と「旅行」の予定に関する変化の兆しが見えてきました。多くの方が休暇を積極的に取得し、よりアクティブに休みを楽しむようになってきたことが読み取れるのではないでしょうか。
昨年5月は新型コロナウイルスが5類感染症へ移行した節目の月でした。長らく続いたコロナ禍では、移動時の感染リスクに対する不安や出入国時の手続きの煩雑さから、旅行先としては「安近短」の条件が揃った国内が選ばれることが多くなっていましたが、そこから1年が経ち、長らく行けなかった海外旅行への思いと3~4日の比較的短い連休でも行ける場所、かつ円安という条件が重なった結果、国内と同程度の予算で行ける、近場の海外旅行の大幅な需要増加に繋がったものと考えられます。
なお、4月末の予定も含む形になるため、今回の調査には含まなかったもののGW期間だけの予定データを見ても、近場の海外旅行が増えている傾向は明らかでした。
一方、本調査結果では「ハワイ」への旅行なども増えていることから、今後より遠い地域への旅行需要も徐々に復活してくると予想されます。
構成/清水眞希