こだわりに満ちたディティールが光るインテリア
インテリアのDSらしいデザイン性は、どんなクルマにも似ていない、こだわりに満ちたディティールが光る、パリの装飾品がちりばめられたようなアーティスティックな世界。そのぶん、例えばパワーウインドースイッチなどは、それをそうとは見せないデザインゆえ、初見では戸惑うこともあるはずだ。
ダイヤ型のスターターボタンを押して走り始めれば、フルデジタル液晶のメーターは小ぶりだが、必要な情報はしっかり、はっきりと日本語で表示される。
インテリアデザインとともに感動できるのは、やはりフランス車の十八番と言えるシートのかけ心地の良さ。レザーシートながら上半身を優しく包み込むようなかけ心地、たわみによるホールド感が心地よい。
乗り心地は19インチタイヤを履いていることもあって、ふんわりしなやかなタッチとは違うしっかり感あるドシリとしたタッチが基本だが、プジョーシトロエン最新のプラットフォームによって段差などの乗り越えも不快なショックなしに通過できる。総じてフラットに徹した快適かつロングドライブでも疲れにくい乗り心地と断言していいだろう(シートの快適さを含む)。
パワーステアリングはセンター付近がビシリと引き締まり、低速域から高速域に至るまで、安心感あるドライビングフィール、直進感が得られる。
満充電でのスタート後はEV走行になるのだが、気になるノイズはほぼロードノイズのみ。これでロードノイズを低減できれば、もっとDS4 PHEVの美学を静謐な美術館の中にいるように堪能できると思えはする。が、エンジンが始動し、中回転まで回した時のエンジンノイズの遮断は見事。遥か遠くにエンジンがあるかのようだった。EV走行時とエンジン始動時のパワーユニットからのノイズの差が大きい国産PHEVとの大きな違いでもある。
加速力はEV走行時、HV走行時ともに実にジェントル。レスポンスは穏やかで、ジワーッと速度を高めていく感覚だ。ドライブモードはエレクトロリック、ハイブリッド、コンフォート、スポーツが備わるが、スポーツにセットするとアクセルレスポンスが鋭すぎてギクシャク感が伴うため、一般道の走行では使いづらいと感じた。山道などを除いてそれ以外のモードを推奨する。