日々変動する中古マンション価格。東京をはじめ、名古屋、大阪、札幌、福岡など各都市における1戸あたりの平均価格は、現在いくらなのだろうか?
不動産情報サービスのアットホームはこのほど、首都圏と首都圏外8エリアにおける「中古マンション」の価格動向(2024年3月)を発表した。
本調査は、同社の不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開された中古マンションの価格動向について、アットホームラボに調査・分析を委託したものだ。
首都圏8エリアの平均価格(前年同月比・指数の推移)
首都圏の1戸あたり平均価格は、前月比が-0.3%と2カ月ぶりに下落、前年同月比は-0.6%と5カ月連続で下落した。
エリア別では、9カ月連続で下落した千葉県西部をはじめ6エリアが前月比下落。また前年同月比は、東京都下が2021年6月以来33カ月ぶりの下落となるなど、5エリアが前年同月割れとなった。
なお、東京23区の最高額更新は8カ月連続となり、前年同月比は10カ月ぶりに5.0%を超えた。特に築30年以内の物件における価格上昇が目立っている。
■東京都(23区/都下)
23区の1戸あたり平均価格は5,200万円で前月比+0.3%と10カ月連続で上昇し、2017年1月以降最高額を8カ月連続で更新した。また、前年同月比は+5.3%と上昇したが、これは築30年以内の全ての面積帯において平均価格が前年同月を上回ったことが一因となっている。なお、前年同月比の上昇幅は6カ月連続で拡大した。
都下の1戸あたり平均価格は3,206万円で前月比-0.3%と2カ月連続で下落した。また、前年同月比は-0.6%と下落し、2021年6月以来33カ月ぶりの前年同月割れとなった。
■神奈川県(横浜市・川崎市/他)
横浜市・川崎市の1戸あたり平均価格は3,367万円で前月比-0.4%と下落した。また、前年同月比は-0.8%と3カ月連続で下落したが、これはファミリー向きを除く築30~40年、およびシングル向きを除く築40年超において平均価格が前年同月を下回ったことが一因となっている。
神奈川県他の1戸あたり平均価格は2,627万円で前月比+0.8%と3カ月ぶりに上昇した。また、前年同月比は+0.8%と2カ月ぶりに上昇した。
■埼玉県(さいたま市/他)
さいたま市の1戸あたり平均価格は3,351万円で前月比-1.8%と3カ月連続で下落した。また、前年同月比は-2.9%と3カ月連続で下落したが、これは、築40年超を除くカップル向き、および物件数割合10%以上の大型ファミリー向きにおいて平均価格が前年同月を下回ったことが一因となっている。
埼玉県他の1戸あたり平均価格は2,507万円で前月比-0.2%と3カ月連続で下落した。また、前年同月比は-3.3%と下落し7カ月連続の前年同月割れとなっている。
■千葉県(西部/他)
西部の1戸あたり平均価格は2,805万円で前月比-1.0%と9カ月連続で下落した。また、前年同月比は-5.9%と5カ月連続で下落したが、これは物件数割合10%以上の面積・築年帯で平均価格が前年同月を下回ったことが一因となっている。
千葉県他の1戸あたり平均価格は2,058万円で前月比-1.0%と4カ月ぶりに下落した。一方、前年同月比は+3.3%と上昇し、66カ月連続の前年同月超えとなっている。
首都圏外8エリアの平均価格(前年同期比・指数の推移)
■名古屋市・大阪市
<名古屋市>
平均価格は2,385万円で前期比+0.3%と2期連続で上昇した。一方、前年同期比は-0.7%と2期連続で前年同期を下回った。
<大阪市>
平均価格は2,970万円で前期比+0.5%と2期連続で上昇し、2017年Ⅰ期以降最高額を更新した。また、前年同期比は+0.5%と前年同期を上回った。
■京都市・神戸市
<京都市>
平均価格は2,919万円で前期比-1.1%と下落した。一方、前年同期比は+3.4%と9期連続で前年同期を上回った。
<神戸市>
平均価格は2,290万円で前期比+2.2%と上昇し、2017年Ⅰ期以降最高額を更新した。また、前年同期比は+2.0%と25期連続で前年同期を上回った。
■札幌市・仙台市
<札幌市>
平均価格は1,929万円で前期比+1.0%と2期連続で上昇し、2017年Ⅰ期以降最高額を更新した。また、前年同期比は+1.2%と2期連続で前年同期を上回った。
<仙台市>
平均価格は2,149万円で前期比+0.2%と2期連続で上昇した。一方、前年同期比は-0.6%と3期連続で前年同期を下回った。
■広島市・福岡市
<広島市>
平均価格は2,437万円で前期比+0.1%と9期連続で上昇し、2017年Ⅰ期以降最高額を8期連続で更新した。また、前年同期比は+4.7%と15期連続で前年同期を上回った。
<福岡市>
平均価格は2,225万円で前期比+2.0%と4期連続で上昇し、2017年Ⅰ期以降最高額を3期連続で更新した。また、前年同期比は+8.4%と25期連続で前年同期を上回った。
<調査概要>
不動産情報サービスのアットホーム株式会社(本社:東京都大田区代表取締役社長:鶴森康史)の不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開された中古マンションの価格動向について、アットホームラボ株式会社(東京都千代田区代表取締役社長:大武義隆)に調査・分析を委託し、アットホームが公表するもの。
◆対象エリア
【毎月公表】東京都(23区/都下)、神奈川県(横浜市・川崎市/他)、埼玉県(さいたま市/他)、千葉県(西部※/他)※千葉県西部:柏市、松戸市、流山市、我孫子市、市川市、浦安市、習志野市、船橋市
【四半期公表】札幌市、仙台市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、福岡市
※Ⅰ:1~3月期Ⅱ:4~6月期Ⅲ:7~9月期Ⅳ:10~12月期
※今回(2024年3月)より、首都圏外8エリアについて四半期毎に公表する。
◆対象データ
不動産情報サイトアットホームで消費者向けに登録・公開された中古マンション(重複物件はユニーク化)
◆定義
・本調査では、上記対象データの「1戸あたり登録価格(売り希望価格)」を「価格」と表記している。
・コメントでは、30m²以下を「シングル向き」、30m²~50m²以下を「カップル向き」、50m²~70m²以下を「ファミリー向き」、70m²超を「大型ファミリー向き」としている。
出典:アットホーム調べ
構成/こじへい