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「シンギュラリティ」が人類に及ぼす影響と避けては通れない2045年問題

2024.06.24

AI(人工知能)の世界では、「シンギュラリティ」という言葉が、これからのキーワードとして注目されている。シンギュラリティとは、人間の知能と同レベルの知能を持つAIが登場する時点をさす言葉だ。シンギュラリティが到来すると、私たちの暮らしはどのように変わるのだろうか。

本記事では、シンギュラリティの意味や到来した場合の影響、研究者の間で行われている議論などをわかりやすく紹介していく。

シンギュラリティ(技術的特異点)とは

まずは、シンギュラリティの意味や到来した場合の影響を解説していく。

■シンギュラリティ(技術的特異点)の意味

シンギュラリティ(Singularity)とは、人間の知能と同レベルの知能を持つAIが登場する時点をさす言葉である。1980年代からAI研究者の間で使われるようになった。日本語では、「技術的特異点」と訳される。

AI研究の世界的権威であるアメリカのレイ・カーツワイル(Ray Kurzweil)氏は、2005年に発表した自身の著書「The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology」の中で、「2045年にシンギュラリティが到来する可能性がある」との考えを示した。

■シンギュラリティの影響

将来、シンギュラリティが到来したら、私たちが住む世界はどのように変わるだろうか。人間の知能と同レベルの知能を持つAIが登場したら、これまで人間が行ってきた多くのことがAIに代替されるようになるため、人間の生活環境や価値観は大きく変わるだろう。

まず、人間が行っていた仕事のほとんどをAIが行うようになると予想される。現時点でも、次のような仕事をAIが行っている。

  • コンビニやスーパーのレジ
  • 自動車の運転
  • クレジットカードやローンの審査
  • 英語など外国語の翻訳
  • 工場における製品の組立

シンギュラリティが到来すれば、これらの仕事だけでなく、ほぼ全ての仕事をAIが行うようになるだろう。なお、シンギュラリティの到来によって仕事のない人が増えた場合、貧困問題を解決すべく、ベーシックインカム制度が導入されると考えられる。

ベーシックインカム制度とは、年齢や性別、所得などによらず、政府が国民一人ひとりに対して、一定の金額を継続的に支給する制度のことだ。「政府が全国民に毎月10万円支給する」といったイメージである。

ベーシックインカム制度が導入されれば、多くの人は生活費を稼ぐための仕事から解放されることになる。そうなれば、より自由度の高い人生を送れるようになるだろう。シンギュラリティの到来は、医療の分野にも大きな影響をもたらすと予想されている。

人類にとって、まだまだ未解明である分野の一つに人体があるが、人間の知能を超えるAIが登場すれば、一気に解明が進むだろう。

  • 超小型ロボットが体内をかけめぐる
  • 臓器を人工物で代用する
  • 脳にデータをインストールする

このようなことも可能になるのではないかと考えられている。そうなれば、治療法がないとされてきた難しい病気を克服できたり、平均寿命が伸びたりする可能性もあるだろう。

シンギュラリティをめぐる議論

果たして、シンギュラリティの到来は、人類にとって望ましいことなのだろうか。ここでは、研究者の間で行われているシンギュラリティをめぐる議論を簡単に紹介する。

■シンギュラリティと2045年問題

シンギュラリティが到来すると、人間が介在することなくAI自身がより賢いAIを作り出すようになると考えられている。

そうなった場合、どのような恐れがあるのだろうか。

「人類はAIをコントロールできなくなるのではないか」
「自我を持ったAIが登場するのではないか」
「人類はAIが行っていることを認識できなくなるのではないか」
「AIが人類を支配するようになるのではないか」

このように考える研究者も少なくない。

もしAIが人類の望まない方向に進歩した場合、さらにその上で暴走してしまった場合、人類はそれを止められるのだろうか。「2045年問題」として、多くの議論を巻き起こしている。

■シンギュラリティが「来ない」とされる理由

実は、「シンギュラリティは来ない」とする意見も少なくない。来ない理由としてどのようなものが挙げられるのだろうか。

アメリカGoogle社の研究本部長ピーター・ノーウィグ(Peter Norvig)氏は、2017年にダイヤモンド・オンライン編集部が行ったインタビューの中で、こう述べている。

「AIは人間が使えるツールであって、われわれがやってきたことにとって代わる、完全に代替するものではない」

また、AI研究の権威であるスタンフォード大学教授のジェリー・カプラン(Jerry Kaplan)氏は、2018年に韓国科学技術院主催のもと実施された講義「人工知能を再考する」(Artificial Intelligence:Think Again)の中で、こう述べている。

「AIは人間ではないので、人間と同じようには考えない」
「ロボットには独立した目標および欲求がない」
「機械的な意味で知能を持つが、その能力はあくまで人間のためにある」

ここで紹介した以外にも、「シンギュラリティは来ない」との意見を持つ研究者は少なくない。

まとめ

本記事では、シンギュラリティの基本的知識や到来した場合の影響、研究者の間で行われている議論などを紹介してきた。シンギュラリティとは、人間の知能と同レベルの知能を持つAIが登場する時点をさす言葉である。

シンギュラリティが本当に到来するかどうかについての意見は賛否両論だが、今後、AIがより進化を遂げていくこと、またAIが私たちの暮らしを大きく変えていくことは確かだ。2045年問題に正しく向き合うことができれば、労働する必要がない、病気の心配もない、あらゆることをAIがサポートしてくれる……そのような夢のような世界が実現するのかもしれない。

「AIをどう進歩させていくか」「AIをどう活用すれば人類が幸せになれるのか」は、誰もがこれから真剣に向き合っていきたい課題である。

文/松下一輝(まつしたいっき)
大学院修了後、ITエンジニアとして大手システムインテグレータに入社。通信キャリアを顧客とする部署に配属され、業務システムやWebアプリケーションなどの設計・開発業務に従事する。その後、文章を書く仕事に興味を持ち、ライターに転身。ITやサイエンス、ビジネスといった分野の記事を執筆している。

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