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胡散臭いと感じられる人は、何かしらの理由があるのでしょうか。もし誰かに胡散臭いと言われてしまったら、なぜなのか気になりますよね。そもそも胡散臭いとはどのようなタイプなのでしょうか。胡散臭いと感じさせる人の特徴や、胡散臭さを感じさせずに信頼されるようになるコツなどを紹介します。
胡散臭いとはどういう意味?
そもそも、『胡散臭い』とはどのような意味なのでしょうか?胡散臭い人の特徴や信頼されるコツを知るにあたり、まずは言葉の意味をおさらいします。
怪しい、疑わしいこと
胡散臭いという言葉は、疑わしいことや怪しいことを意味する『胡散(うさん)』と、そのような雰囲気があるといった意味のある接尾語の『臭い』を合わせた形容詞です。
そのため、正体が分からず怪しい、疑わしい、油断ができない、といった様子を表現する時に使います。人や物の雰囲気を表すのに使用するのが一般的です。
信用できないと感じる場合に使う
怪しい・疑わしいといったマイナスの印象を表す、胡散臭いという言葉は、信用できないという場合に使います。例えば「胡散臭い話だ」「あの人は胡散臭いから近づかない方がよい」のように使われます。
ただし、なぜ信用できないのか、という理由ははっきりと説明できません。なぜかは分からないけれど、どうにも信用ならない雰囲気を感じるという時に、しっくりくる表現です。
また、接尾語の『臭い』は、マイナスのイメージを持たせる働きがある言葉とされています。このことからも、胡散臭いと表現されるのは、悪い印象を持っている時といえるのです。
胡散臭いの語源は?
なぜ、胡散臭いという言葉で、はっきりした理由はないけれど信用できない感じを表現するようになったのでしょうか?語源を知ることで、言葉の由来が分かるでしょう。
有力な説は二つ
胡散臭いの語源には複数の説があります。中でも有力なのは、天目茶碗の『烏盞(うさん)』と、漢語の『胡乱(うろん)』という二つです。
それぞれどのようなエピソードから、現在使われている胡散臭いという言葉につながったのか、二つの語源を紹介します。
天目茶碗の釉薬
主に抹茶茶碗として使われる、天目茶碗というものがあります。鉄分を多く含む釉薬を使用することで、独特の模様に仕上がるのが特徴です。その天目茶碗の一種に『烏盞』があります。
天目茶碗は非常に高価で、『曜変天目』という種類は国宝になっているほどです。その価値は昔から高いものとされていましたが、産地や作られた年代が不明という作品が多数存在していたともいわれています。
そのため、天目茶碗というと、疑わしい・偽物臭い、というイメージができたそうです。このことから、天目茶碗の一種である烏盞の名が使用され、胡散臭いという言葉になったといわれています。
漢語の胡乱
怪しくて疑わしいことや不確実なことを表す『胡乱』が転じて胡散となり、胡散臭いという表現につながったという説もあります。
胡乱というのは、室町時代に中国から伝わってきた言葉です。かつて、『胡(えびす)』と呼ばれた異民族が中国を攻撃した際、中国国内の人々が右往左往して混乱したという故事を元に作られたといわれています。
そのため、もともとは乱雑という意味を持つ言葉でした。そこから徐々に意味が変化していき、疑わしいという意味になったのです。そして、胡散という言葉に変わっていき、胡散臭いになりました。
言葉の使い方
では、どんな時に使える言葉なのかも見ていきましょう。
使用シーン
「胡散臭い」は、基本的にネガティブな意味合いで使われます。
言われた相手は傷つく言葉であり、悪口としても捉えられます。したがって、使う際は慎重に発言しましょう。
【例文】
・あの人の笑顔は胡散臭い。きっと裏があるだろう。
・胡散臭い儲け話に、彼女は騙されてしまった。
・マルチ商法に引っかからないためには、胡散臭い話に耳を傾けないことだ。
類語「きな臭い」とはどう違う?
「胡散臭い」と似た言葉に、「きな臭い」があります。
きな臭いとは本来、紙や木綿がこげるにおいのこと。つまり、こげ臭いということです。ここから派生し、何か物騒なことが起こりそうな予感がする様子を「きな臭い」と表現するようになりました。火のない所に煙は立たぬ、ということですね。
「胡散臭い」とは少しニュアンスが異なりますが、「あの人は何だか問題を起こしそうだ」という怪しさを表す時には、「胡散臭い」「きな臭い」のどちらを使っても不自然ではないでしょう。
胡散臭いと感じる外見の特徴
理由は分からないけれど信じられず、胡散臭いと思われている場合、その理由は外見にあるかもしれません。自分ではおしゃれをしているつもりでも、胡散臭い印象になっていることがあるのです。
まずは、胡散臭いと感じる外見の特徴を知り、ファッションや髪形を考え直す参考にしましょう。
年齢に合わない服装や髪形
年齢に合った服装や髪形には、一般的なイメージがあります。厳密なルールはありませんが、多くの人が年齢に合わせて服装や髪形を変えているのです。
例えば、会社員として働いている20代後半の人は、派手すぎる色の服装や髪形をしません。年齢を重ねることで落ち着きが出てきますし、社会人として働く時にその方が向いていると考えられているからです。
同じ年代の多くの人が落ち着き始めているのに、柄物の派手なシャツを着て、髪を明るく染めていると、胡散臭い印象が漂います。『年齢と合わない服装や髪形』が不自然さを感じさせてしまうのです。
そのため第一印象で、本当に信頼できる人なのだろうか?と疑いの目で見られてしまうこともあるでしょう。
高級品やハイブランドを身に着けている
大人になり年を重ねると、徐々に高級品を身に着ける人も出てきます。しかし、高級品やハイブランドをアピールするように身に着けている人は、胡散臭い印象になりがちです。
例えば、カジュアルな服装なのにもかかわらずハイブランドのアクセサリーを重ね付けすると、アクセサリーが悪目立ちします。本来の上品さではなく、ジャラジャラとした派手さが目立つのです。また、大きなブランドロゴがデザインされているアイテムを身に着けていると、ただのブランド自慢になりかねません。
年相応のおしゃれとして高級品を取り入れているつもりが、胡散臭さの演出につながっている可能性があります。気品を感じさせるコーディネートで取り入れることが重要です。
胡散臭いと思われる話し方や態度
話し方や態度にも、胡散臭い雰囲気はにじみ出るものです。服装や髪形に気を付けていても胡散臭いと思われるようであれば、話し方や態度に原因があるのかもしれません。
人に信用されにくい人にありがちな、話し方や態度の特徴を紹介します。
話はうまいが中身がない
トークスキルが高い人は、一見魅力的です。一緒にいて面白いため、たくさんの人が周りに集まるでしょう。しかし、そのトークに中身がなければ、ただ調子がよいだけの胡散臭い人と受け取られてしまうのです。
最初は話を夢中になって聞いてくれていた人も、中身がないことに気が付くと「この人の話は大丈夫かな?どうも信用できそうにないな」と感じ始めます。特に、具体的な話に触れると、途端に歯切れが悪くなったり口ごもったりする場合、不信感につながりやすくなるのです。
例えば、おいしい店を紹介すると言っていたのに、いざ教えてほしいと質問すると具体的な店名が出てこない、という場合などは胡散臭く思われてしまいます。
親しくないのになれなれしい
初対面の人や出会って間もない人など、そこまで親しくない人に『なれなれしくする』ことも、胡散臭さにつながる態度です。例えば、すぐに連絡先を交換しようとしたり、一緒に出掛けようと誘ったりすると、下心なく言ったことであっても相手を警戒させることにつながります。
また、家族について、出身地や出身校についてなど、個人情報につながる内容をいきなり質問するのも失礼です。親しくない人に教えるのはためらわれる内容ですし、しつこくすることで追及されている気分にさせてしまうことがあります。
物理的な距離の取り方にも気を付けましょう。人には親密さに応じて快適と感じる他者との距離があります。パーソナルスペースと呼ばれるその距離に不用意に近づきすぎることで、不信に思われることがあるのです。
自分のことを話さない
話がうまい人の場合、大勢の輪の中で盛り上げ役になることがあります。その場にいる人にいろいろな話を振ったり、質問をしたりすることもあるでしょう。
この時、自分の話を全くしない人や自分に都合の悪いことは適当にはぐらかすような人は、胡散臭い人と思われる可能性があります。人の話は引き出そうとするのに、自分のことは言わないという態度が不信に思われるためです。
胡散臭いと思われないためのポイント
胡散臭い人と思われるのには、理由があることが分かりました。見た目はもちろん、態度や話し方にも原因があるのです。信用される人になりたい場合には、紹介した理由を参考に改善してみましょう。
ここでは、信頼されるために特に重要な三つのコツを紹介します。胡散臭いと思われないためにも、まずはこの三つから始めましょう。
人の悪口を言わない
まず挙げられるのは『悪口を言わない』ことです。悪口を言っている人を見て、信用できる人だと思うでしょうか?信用するよりは、陰で何を言われているか分からないと不安感や不信感を抱くでしょう。
そこで、悪口を言わないことを徹底しましょう。会話中に話題が悪口に移った場合には、何もコメントせず静かにその場を離れればOKです。悪口はもちろん、うわさ話に飛び付くこともやめましょう。
悪口に参加せず、うわさに振り回されることがなければ、口が堅くて信用できそうな印象を持ってもらえると期待できます。
相手と適切な距離感を保つ
一気に距離を縮めようとすると、胡散臭いと思われてしまいがちです。自分ではフランクに話しかけているだけのつもりが、相手に不信感を抱かせることもあります。
自分ばかり話していると、相手の感じている不快な気分を読み取りにくいことがあるため、相手の話に耳を傾けることを心がけましょう。興味を持って会話を続けていれば、自然と距離は縮まっていくはずです。
また、こちらから無理に距離を縮めようとする必要はありません。相手が近づいてくるのを待つことも大切です。物理的にも心理的にも、相手と『ちょうどいい距離』をキープすることが大切です。
約束を守り誠実に対応する
『約束を守る』ことも胡散臭いと思われないためのポイントです。
調子に乗ってした軽い口約束であっても、守らないばかりでは信用されなくなっていきます。口だけのうそつきと思われることや、行動が伴わないビッグマウスといった印象を与えることがあるのです。
信用されるためには、どれだけ小さな約束でも必ず守りましょう。「今度ランチをおごる」と約束したなら、近いうちに必ずおごるのです。また、守れない約束なら初めからしないようにするのです。
言ったことを必ず守るように心がけていると、言動が一致していると認識されます。約束を守る誠実な人という印象を持たれ、信用されやすくなるでしょう。